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【MLB2002】エンゼルスのWS制覇に貢献した剛球クローザー、トロイ・パーシバル

エンゼルスのWSトピックその2

 現地2020年4月13日、MLBにはまだまだ動きがありません。昨日同様にまだまだ新型コロナウィルスのピークが見えない状況で、果たして2020シーズンはどうなるのか、日に日にその選択肢が狭まっている状況です。

 台湾では2020シーズンが無観客でスタートしました。新型コロナウィルスへの見事な対処が奏功し、ついにプロスポーツも開幕できたという素晴らしさ。明るいニュースの一つであると同時に全世界的に事態が収束に向かうことを祈るばかりです。 

WS2002制覇は彼の存在なくしてない

 本日もちょっと明るくなればという狙いで、前日同様に大谷選手のいるエンゼルスがワールドシリーズとなった2002年のトピックを書きたいと思います。

 この年のエンゼルスにおいて、つなぎの役割をハツラツプレーでこなし、ティム・サーモン、トロイ・グロースなどの主力打者の力を活かした影の立役者がデービッド・エクスタインなら、投手の大黒柱として挙げられるのはやはり、トロイ・パーシバルTroy Percival)かと思います。

2002年は58試合でERA 1点台!

 トロイ・パーシバルはとにかく豪腕でしたね。独特の小さめのテークバックからややスリークォーター気味の角度から糸を引くようなボールを投げ込んでいました。

 1997年デビューのバートロ・コロンなどもテークバックが小さめで何か武道でもしているかのような投球フォームが魅力でもありました。小さめのテークバックで豪腕と言えば、クレイグ・キンブレルなどもそのようなタイプに属するかと思います。

 まず、トロイ・パーシバルの2002年の成績ですが、本当に際立っていました。レギュラー・シーズン中は58試合、56.1イニングを投げ、ERAがなんと1.92!

 道理でエンゼルスは強かった訳ですね。クローザーがこれだけ安定していれば8回までになんとか逆転すれば勝てる!という確信感が出てきますから、好循環になりやすいです。

 この年はHR9が0.8、SO9が10.9。

 ポストシーズンではヤンキースとのALDSではやや打ち込まれ、3試合で自責点2、ERA5.40。ツインズとのALCSでは3試合をパーフェクトに抑え、奮起。そしてジャイアンツとのワールドシリーズでは、3試合で自責点1、ERA 3.00。

 ポストシーズン9試合で7セーブを上げるという素晴らしい活躍ぶりを見せました。まさにエンゼルスの守護神として優勝の大きなファクターとなった選手でしたね。

 なお、ALCSのMVPは14打数5安打で、そのうち3本がHRだったというアダム・ケネディー(Adam Kennedy)が獲得しました。

トロイ・パーシバルとは

 そのトロイ・パーシバルですが、1969年8月9日生まれの50才。日本で言うならら伊良部投手、そして大阪桐蔭の西谷監督(!)などとも同じ年になります。

 1990年のアマチュア・ドラフトでカリフォルニア・エンゼルスの6巡目指名でプロ入り。UCR(カリフォルニア大学リバーサイド校)出身です。

 デビューは遅く、1995年、25才のシーズンでした。

デビューイヤーもERA1点台

 1995年のデビューイヤーでは62試合、74イニングに登板し、ERA1.95を記録。セーブは3だったもののセットアップとして大車輪の活躍を見せたのでした。この年、ROYの投票で4位に入りました。

マイナーでは制球に苦しむ

 デビューが遅れたのはコントロールに苦しんでいたからです。シングルAなどではその剛球でERAは1点台を記録したことがあったものの、ダブルA以降ではやはり制球難でERAが悪化。1993年にはトリプルAで6.27を記録。1992年のシングルAプラスではBB9が6.3、1993年のトリプルAでは6.2とかなり荒れ気味でありました。1994年にトリプルAで制球がやや落ち着いてきて、BB9も4.3になったことから、95年のメジャー・デビューとなったのでした。

1996年からクローザーに 

 クローザーとなって活躍し始めたのはデビュー2年めの1996年から。以降クローザーとして活躍し、通算358セーブを記録。

 キャリアハイは1998年の42セーブ。なお40セーブ以上はもう1シーズンあり、それがワールドシリーズチャンプとなった2002年。40セーブを上げました。

所属クラブ

 パーシバルはキャリアの大半をエンゼルスで過ごしました。

  • エンゼルス:1995−2004
  • タイガース:2005-2006 ※2006年は全休
  • カージナルス:2007
  • デビルレイズ(現レイズ):2008-2009

2009年で現役を引退。

101mph

 1990年台半ばの投手のベロシティー(速度)はなかなか客観的なデータがないのですが、デビュー1年め、あるいは2年めのパーシバルは101mphを超えていたと言われています。 

 キャリア終盤の2007年でもアベレージで93mphほどは出していたのでいかに速かったかがわかります。

 球種はファストボール、カーブ、スライダー、チェンジアップでした。

キャリア後半は肘痛と肩痛に悩まされる 

 プロの投手につきものですが、キャリア後半は肩肘の痛みに悩まされ続けました。エンゼルス時代の2004年からその傾向が強くなり、FAとして移籍した2005年のタイガース所属時は前半戦の7月9日で離脱。この時は前腕部を傷め、結局2006シーズンも全休。タイガースでは厳しいシーズンを過ごしました。

 2004年時点ですでに34才となっていたパーシバルは手術を進められるも、ここで手術してしまっては年齢的にもキャリアは終わると考え、手術をしませんでした。結果的にタイガースがかなりの損害を被ってしまった訳ですが、キャリア後半での手術勧奨は投手にとって厳しい決断ということですね。クリス・セールも今回の新型コロナウィルスの感染拡大がなければ手術していなかったかもしれません。

 レイズに移ってからは肩痛にも悩まされ、2005年以降は4シーズンで42セーブにとどまりました。

2014年から母校UCRのコーチに

 2009年に現役を引退したパーシバルは厳しい場面で揉まれてきたキャリアを買われ、2014年から母校UCRのコーチに就任しています。いい選手をMLBに送り出してもらいたいですね。

  2020シーズン、エンゼルスのクローザーはハンセル・ロブレス(Hansel Robles)。2019年に23セーブを上げています。数字以上に良い投手なので彼がパーシバルのような安定感を見せるかどうかが見ものですね。2019年に71試合も投げているのが気になるところではありますが、この新型コロナ対策の間に肩と肘を休められているのは大きいかもしれません。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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