見えない開幕→思い切った決断へ
現地2020年3月19日のニュースですが、レッドソックスはエースのクリス・セールがトミージョン手術を行うことを発表しました。
シーズン開幕が見えない中、前半戦はかなりスケジュールが潰れるであろうと予測される中、思い切った決断を下した形となりました。
本人にも、クラブにも「タフ」
レッドソックスのハイム・ブルーム氏は以下のように述べました。
“Needless to say, this is a tough, tough thing for Chris and tough for all of us here with the Red Sox,”
「言うまでもなく、タフな状況です。クリス・セール本人にとっても、レッドソックスのクラブ全体にとっても」
タフとは非常に厳しい状況であるというニュアンスですね。クリス・セールはキャリア終盤に差し掛かっているという点でも厳しい決断でしたし、2020年はクリス・セールの力がなくなったという点でレッドソックスには厳しい状況であるという意味になるかと。
ベストケースで復帰は2021年6月から7月
今アメリカの病院がCOVID-19でどうなのかまではわかりませんが、先日、トレイ・マンシーニが結腸の悪性腫瘍除去の手術を行えたことから、通常の大きな手術も可能なのでしょう。
術日まではあきらかとなっていませんが、3月中に行ったとして、もしも通常通りに復帰まで18ヶ月ほどかかったとしたら、2021年9月が復帰に。
しかし、ここのところ術後のリハビリが確立されたのか、投手でも18ヶ月かからないケースが多くなっています。よって、ベストな復帰シナリオは、2021年中盤の6月から7月の見込みです。これですと、15ヶ月ほどのタイムテーブルとなります。
2020年のレッドソックスのローテーション
コリン・マクヒュー獲得の際に書かせてもらったレッドソックスの2020年の予想ローテーションは以下の面々。
- エドゥアルド・ロドリゲス(E. Rodriguez/LHP)
- ネイサン・イオバルディ(N. Eovaldi)
- マーティン・ペレス(M. Perez/LHP)
- ライアン・ウェバー(R. Weber)
- 投手X
- コリン・マクヒュー ※3月開幕ではアウトだったが。
当初、開幕1ヶ月はこれで回すプランかと思われましたが、年間で回さないといけなくなりました。コリン・マクヒューを獲得した際、彼がまだこの春本格的な投球を再開できていなかったので、3月26日の開幕には間に合わない見込みでした。
このCOVID-19の影響で開幕がプッシュバックされたことで彼がMLB再開時にマウンドに立てるかどうか。ワークアウトが十分にできていない中、難しいかもしれませんが、肘のケアができていれば少しは希望が持てますが、果たしてどうなるか。
筆者は23才左腕のダーウィンゾン・ヘルナンデス(D. Hernandez)も候補にとは思います。ローテ5日目はオープナー日にするのか? 注目したいですね。
やはりForearm Sorenessはやばい
クリス・セールは2019年からforearm soreness(前腕部の痛み)ということでしたが、ここを痛めるのはトミージョン手術への兆候というのがまたしても1例増えた気がします。
コペック復帰のタイミングで
2020シーズンの復帰が期待され、スプリングトレーニングで100マイルを連発したシカゴ・ホワイトソックスのマイケル・コペックは言わずもがな、トミージョン手術からの復帰明けですが、そもそもはレッドソックスがクリス・セールを獲得したトレードでレッドソックスからホワイトソックスへ移籍しました。
彼が復帰し、クリス・セールがトミージョン手術へというのは何か不思議なタイミングですね。
もっとも、ふたりとも豪腕ゆえに前腕部に負担がかかり、トミージョン手術に踏み切ったわけではありますが。
32才でTJのJ・クエトは13ヶ月強で復帰
クリス・セールの復帰とどこまで関連性があるかはわかりませんが、投手でここ数年で最速で復帰したのは現ジャイアンツのジョニー・クエト。
2018年8月2日にトミージョン手術を実行。このとき32才です。これは非常に強い決断が必要だったと思います。決まらないFA市場など不安要素が満載の中、よく踏み切ったと思います。そのジョニー・クエトが復帰したのはなんと2019年9月10日。術後13ヶ月ほどでメジャーのマウンドまで上がってきました。
ジョニー・クエトは2019年は4試合、16イニングに登板。それぞれ69球、71球、78球、47球を投じました。
2020年もジャイアンツの開幕投手候補でもあります。
クリス・セールはとにかく投げまくっていました。抜本的な治療で肘をケアすることにした決断を尊重し、よいカムバックを祈りたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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