CWSの強烈な右腕2人の2020シーズン
ホワイトソックスの話題を続けたいと思います。前日の記事ではヨアン・モンカダ(Yoán Moncada)の5年/$70M(2020-2024)のエクステンションについて書かせていただきました。
ホワイトソックスが若手もベテランも含めて人材の宝庫であることはモンカダの記事にも書かせていただいた通りです。野手にはヨアン・モンカダだけでなく、イーロイ・ヒメネスもおります。さらに今季ETA(=デビュー)となるCFのルイス・ロバート。数えるだけで他クラブ垂涎のリストですね。2020年はまだETAにはならないかもしれませんが、2019ドラフト1巡目のアンドリュー・ボーンもいますからね。
野手だけではありません。投手でもルーカス・ジオリトをはじめ、ディラン・シーズ、レイナルド・ロペスなど2020年のローテーションで大いに期待出来る人材はおります。
そして、ホワイトソックスにはまだ強烈な右腕2人が残っているのです。しかもこの2人はともにトミージョン手術明け。
本日はこの2人の2020シーズンの登板について書かせていただきたいと思います。
マイケル・コペックの復帰時期は?
もう皆さんお待ちかねかと思いますが、2018シーズンにデビューした100mph右腕のマイケル・コペック(Michael Kopech-23才)についてです。
衝撃デビューとなったマイケル・コペック。やはりモノが違うと誰もが感想を持ったと思います。2018年のデビューイヤーは8月21日に登板して以降、9月5日の登板まで計4スタート、14.1イニング、1勝1敗、ERA 5.02、奪三振15という結果に終わりました。
楽しみが増えたと思った矢先、まさかのトミージョン手術となったのでした。
コペックのTJは2018年9月
そのマイケル・コペックがトミージョン手術を行ったのは現地2018年9月19日。2019シーズンをフルで欠場し、2020年が復帰シーズンとなっているのです。2018年9月半ばの手術から2020年3月半ばで18ヶ月目に。トミージョン手術の復帰のタイムテーブルでは早い人では投手であっても12ヶ月ほどで上がって来る人もいますが、通常は18ヶ月ほどを見ておくのが無難なところではないかと思います。そうだとしても、開幕から登板か?と期待を寄せるところですが、開幕には入らなそうです。
ようやくBPセッションへ
現地2020年3月6日、マイケル・コペックは打者を相手にしたBP(Batting Practice)セッションに登板し始めたという段階。まだカクタス・リーグでは未登板で投げておりません。ホワイトソックスはかなり慎重にリハビリを実行させています。
コペック自身も変化球をチューンナップ中
コペック自身、6日のBPセッションはかなり手応えがあったようで、順調な仕上がりに満足しています。しかし、カーブ、スライダーの精度にまだ納得がいかないと感想をもらしており、実践登板を前に変化球を慎重に試している段階です。
やはり通常の投手より筋肉の強さが違うためか、リハビリには相当気を使っています。万が一、断裂するようなことがあれば終わりですから、ホワイトソックスもとても慎重です。
追記)コペック、スプリングトレーニング初登板へ
現地2020年3月8日、マイケル・コペックのスプリングトレーニング初登板が決まりました。現地2020年3月10日(火曜)のレッズレンジャーズ戦に決定。日本時間11日の水曜日です。
変化球→マイナーでの実践登板→復帰へ
今取り組んでいる変化球の精度と肘の調子にGOが出れば、ようやくマイナーでの実戦登板ということになりそうです。
復帰は早くて5月後半か??
ホワイトソックスですが、マイケル・コペックのメジャー復帰のタイムテーブルを出しておりません。おそらく出せないのでしょう。焦って上に上げることもないので、登板→肘の休養日→登板というプロセスを踏まえ、向こう1ヶ月以上はマイナーで肘の調子を見ながら登板させるのではないか?と思われます。
早ければ5月半ば頃の復帰ではないか?と筆者は推測します。ローテーション投手の誰かにトラブルがあれば前後するかもしれません。
ただ2020シーズンに復帰するのは間違いないところですから、少し気長に待ってみたいところです。
筆者も早くコペックが見たいです。
なお、マイケル・コペックはまだルーキーステータスです。
デイン・ダニングのデビュー戦は?
ホワイトソックスにはもう一人、すごいプロスペクトがおります。それがデイン・ダニング(Dane Dunning)です。
デイン・ダニングとは
デイン・ダニングは1994年12月20日生まれの25才(現地2020年3月7日時点)。2016年ワシントン・ナショナルズ1巡目指名(全体29位)の右腕です。なおアジア人ぽいところも見えるのは母親がアジアの人だからです。
2016年にCWSへ
ドラフトイヤーの2016年にナショナルズのルーキーリーグとシングルAマイナスで登板し、さあこれからというデイン・ダニングでしたが、同年12月に突如、トレード要員に。ナショナルズがアダム・イートンを獲得したトレードで、ルーカス・ジオリト(2012-1巡目)、レイナルド・ロペス(2012-アマチュアFA/2016デビュー)とともにホワイトソックスへ移籍となったのでした。
なお、トレード後の2017年4月、ナショナルズはせっかく1巡目2人と2016デビューの右腕を放出してアダム・イートンを獲得したにもかかわらず、開幕後の2017年4月28日にそのアダム・イートンが左膝ACL断裂の大怪我を負い、シーズンエンデイングに。
アダム・イートンは2019年にポストシーズンでも良いところで活躍しましたが、プロスペクトを犠牲にしたトレードがようやく花開いた瞬間でもありました。それにしてもこのトレードでホワイトソックスは素晴らしい戦力を手にしていたのでした。なお、マイケル・コペックもヨアン・モンカダもクリス・セールとのトレードでの獲得でしたね。
ダニングのトミージョン手術は2019年3月
デーン・ダニングですが、2017年、2018年とマイナーで順調に成長。ダブルAまで上がっていたのでまもなくデビューというところだったのですが、2019年のスプリングトレーニングで右肘に痛みが走り、投球をストップ。ホワイトソックスはしばらく様子を見ていましたが、3月にトミージョン手術を決断。19日に手術を行いました。
TJ後12ヶ月でダニングはBPセッション
トミージョン手術からまだ12ヶ月を経過していないにも関わらず、デーン・ダニングは6日にマイケル・コペックと一緒にBPセッションに登板しました。
これを考えるとコペックの筋肉の強さはやはり尋常なものではないのがわかります。通常ならメジャー復帰は早くて2020年9月というところかと思うのですが、ダニングはかなり早く仕上がる可能性大です。
デビューは上の状況次第か
デイン・ダニングの仕上がり具合からすると、マイナーでのリハビリ登板も早そうです。ひょっとしたら、コペックよりも早くメジャーに上がってくるかもしれません。
ダニングの場合、メジャーデビュー戦ということになります。
2人はリハビリで励まし合う
トミージョン手術を行ったのはマイケル・コペックの方が半年ほど早く、年齢はデイン・ダニングの方が年上。似たような境遇の右腕の2人は、リハビリ中にともに励まし合って研鑽してきたようです。
彼らがメジャーのマウンドに上がるのはそう遠くなさそうです。ただ、あまりに早く上がることは、現在構成されているローテーションの誰かが怪我をするという意味もありますから、あせらずじっくりと治してから上に上がって欲しいとは思います。
非常に興味深い2人の右腕です。ホワイトソックスはとんでもないほどすごい人材を抱えていますね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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