ブルワーズ史上最高額でのディール
現地2020年3月3日の情報ですが、ミルウォーキー・ブルワーズがクリスチャン・イェリッチ(Christian Yelich )に超大型エクステンション(契約延長)をオファー。双方合意間近となっています。
9年5Mのエクステンション内容
現地2020年3月3日時点でまだ確定にはなっていないものの、判明している内容は9年(2020-2028)$215M。その中身を整理したいと思います。
新契約分は7年8.5M
今回合意になりそうなのは、まず期間として2020年から2028年までの9年。これに加えて2029年に双方合意で行使されるミューチュアルオプションが設定されており、最大で10シーズン!もっともミューチュアル・オプションは確実に保証されている訳ではないので、期間としては9年という言い方が妥当かと思います。
もう少し中身を見ていくとこのような内容です。
【クリスチャン・イェリッチ 2020サインの新契約】
- 2020: $12.5M ←2015年時に結んだ契約のまま
- 2021: $14M ←2015年時に結んだ契約のまま
- (2022: $1.25Mバイアウト) ←2015年時に結んだ契約の設定
- 2022-2028 (7年): $26M x 7 ($182M)
- 2029: $20Mミューチュアルオプション or バイアウト$6.5M
旧契約からの引き継ぎ分 $26.5M +新契約分 $182M+$6.5Mで合計$215Mという数字になります。
2015年のマイアミ時代のエクステンションがベース
今回のエクステンションは9年のうち、2020-2021年の2年間は前の契約がそのまま生きる形です。よって、言い方としてはブルワーズと新たに契約延長とした分としては7年$188.5Mになります。
旧契約を一応、見てみますと2015年3月にマーリンズと合意した2015年から2021年までの7年$49.57Mがそれ。2022年はクラブオプションで$1.25Mバイアウトがついているという内容でした。
サラリーの配分は2015年が$0.5M、 2016年が$1M、 2017年は$3.5M、 2018年は$7M、 2019年は$9.75M、 2020年は$12.5M、 2021年は$14M、 2022年が$15Mのクラブオプションで$1.25M バイアウトという明細。
ややさかのぼりますが、イェリッチのドラフトイヤーは2010年。マイアミの1巡目指名、全体23位でのプロ入りでした。MLBデビューは2013年。21才の時です。
2014年からほぼフル出場の状態が続いていて、2020年1月時点でMLSは6.069。2015年3月にマイアミと契約延長した時点ではデビューしてまだ1.5シーズンほどしか経過していない期間でしたから、MLSはまだ2に満たない状況でした。よって、旧契約は$1M以下のメジャー最低年俸ほどの金額からスタートしています。
AAV は約.89M
新しい契約を9年$215Mだとして、年平均(Annual Average)で表すと、$23.89M per Yearになります。 クリスチャン・イェリッチは2020年のMLB TOP 100プレーヤーの中でマイク・トラウトに次いで2位に入っている選手。
ブルワーズはそんなすごいレベルの選手を$30M以下でコントロール出来る形をつくりました。同じ年割りで算出する贅沢税上のサラリーではトラウトは$35M以上、マチャードは$30M、レンドンも$35M以上、ハーパーは$27M。
クリスチャン・イェリッチのアウォード
もう誰もが知っている選手ですが、一応サマリーとしてアウォードとスタッツをまとめておこうと思います。
- オールスター出場:2度 (2018 & 2019)
- 2018 NL MVP !
- NL Gold Glove (2014/LF)
- NL Silver Slugger Award : 3度(2016, 2018 & 2019)
- NL Batting Average Leader: 2度 (2018 & 2019)
- NL OBP Leader:1度 (2019)
- NL SLG Leader:2度 (2018 & 2019)
- NL OPS Leader:2度 (2018 & 2019)
- NL Total Bases Leader :1度(2018)
- 20 HR以上: 3シーズン (2016, 2018 & 2019)
- 30HR以上: 2シーズン (2018 & 2019)
- 40HR以上: 1シーズン (2019)
- 100 RBI: 1 シーズン(2018)
- 100 Runs Scored : 3シーズン (2017-2019)
新契約は36才のシーズンまで
2020年で28才のシーズンを迎えるイェリッチですが、新契約の最終イヤーの2018年は36才でのシーズンです。足のスピードが落ちた時にどういうプレースタイルになっているか、ちょっと興味が湧いてきますね。
新契約の背景にR・ブラウン最終イヤー
残り2年の契約を残し、ブルワーズが契約延長に踏み切った理由には、ライアン・ブラウンが2020年で契約最終イヤーになるという背景もありそうです。ライアン・ブラウンとブルワーズは5年/$105M (2016-20)、2021年は$15Mミューチュアルオプション、$4Mバイアウト。おそらく2021年はMIL側が行使しないでしょう。
そうなるとサラリー的には2020年は$16Mのライアン・ブラウンが抜けたとして、その分で不足はありますが、イェリッチへの支払いに回せます。
それにライアン・ブラウンに変わってクラブの顔として人気を維持したいということも背景にあるように思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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