引退後メジャー復帰を目指す
現地2020年2月21日、コロラド・ロッキーズが一旦は引退を表明した一人の投手とマイナー契約を結びました。その選手の名はダニエル・バード(Daniel Bard )、34才。
こんなことが本当にあるとは思ってもみませんでした。と言ってもまだ旅の途中ですが、この偉大なチャレンジが成功するか、見守りたいと思います。
ダニエル・バードはメジャー・キャンプに招集されています。
パペルボンへのセットアップマン
今から10年前の2010年、レッドソックスがジョナサン・パペルボンをクローザーとしていた時代、先発では松坂大輔投手がローテーションに入っていた時期でもありますが、この時にパペルボンへのセットアップをしていた投手を覚えておいででしょうか?それがこのダニエル・バードです。
2008年BOS1巡目
ダニエル・バードは2006年アマチュア・ドラフトでレッドソックスから1巡目指名(全体28位)を受けた投手。ノース・カロライナ大学の出身です。
メジャーデビューは2009年5月13日のエンゼルス戦。デビューから3年間はリリーバーとして登板。
圧巻だった2010年
先にジョナサン・パペルボンへのセットアップのことを書きましたが、それが抜群に機能したのが2010年のこと。この年、ダニエル・バードはメジャー2年目のシーズンで、73試合に登板。74.2イニングを投げ、1勝2敗、3 SV、ERA が1.93という素晴らしい数字を残したのでした。この年は H9が5.4、HR 9が0.7、BB9が3.6、SO9が9.2という数字でした。
つづく2011年も70試合、73.0イニングに登板。2勝9敗、ERA 3.33。やや悪化し、負け数が増え、セットアップとしては厳しい数字でしたが、それでもSO9などは前年とほぼ一緒。
この2年のファストボールはえげつないほどの勢いでしたね!
しかし、2012年から先発として起用され、17試合中、10試合に先発。5勝6敗、ERA 6.22に。このシーズンはコントロールに苦しみ、59.1イニングで43個の四球。BB9が一気に6.5へと悪化しました。
2013年がメジャー最後のシーズン
そしては2013年4月27日がメジャーの最後のマウンドになっておりました。この年の9月にレッドソックスのDFAとなり、ウェーバーにかけられたところをカブスが獲得。しかし、メジャーのマウンドに復帰することはありませんでした。
その年のオフにFAに。
2014−17は苦悩の3年間に
その後、ダニエル・バードはご覧のような厳しい道程を歩みました。
- 2014年2月:レンジャーズとマイナー契約
- 2014年6月:レンジャーズのマイナーからリリース
- 2015年1月:カブスとマイナー契約
- 2015年11月:カブスからマイナーFAに
- 2016年1月:パイレーツとマイナー契約
- 2016年5月:パイレーツからリリース
- 2016年6月:カージナルスとマイナー契約
- 2017年5月:カージナルスからリリース
- 2017年6月:メッツとマイナー契約
2013-14年にはプエルトリコのウィンターリーグにも参加。3年間マイナーで努力するも結果が出ず。最後、2017年はルーキーリーグでの登板でした。そして2017年10月に引退。
2018年からDバックスのメンタルスキルコーチ
引退後、2018年からはDバックスのメンタル・スキル・コーチとして現場に携わっていました。コーチンスタッフのリストには、”Special Assistant”として名を連ねましたが、アサインされた仕事はメンタル・スキル。
栄光から一転、もがき苦しんだ経験がここで活かせたということですね。
トライアウトで契約を勝ち取る!
一旦は選手から身を引いたことで、もがき苦しんだことからより自分を客観視出来たのでしょうか。
ダニエル・バードは今オフ、スカウトの前でピッチングを披露。ちょうどトライアウトのような格好だったようですが、ここで抜群の結果を見せることに成功。晴れてロッキーズとマイナー契約ではありますが、サインを結び、再びメジャーのマウンドへ挑戦できるフィールドを得たのでした!
おめでとうございます。
かつてはアンディーが復帰
かつて引退後、復活した投手としてはアンディー・ペティットが有名です。2010年に電撃引退。1年経過後の2012年にメジャーへ復帰しました。アンディーの場合は家族のことでショックな出来事があったことから一度野球から離れる決断をしたのですが、すぐに復帰。
今回のダニエル・バードはアンディーのケースとはまた意味合いが違いますね。
ダニエル・バードはまだ34才。結果はどうなるかわかりませんが、このチャレンジを応援したいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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