ムーキーの抜けた外野に新戦力
現地2020年2月13日、ディール成立間近と言われていたレッドソックスとケビン・ピラーですが、合意に至りました。正式発表はフィジカルチェックの結果を待って2月15日か16日の週末に行われる予定です。ピラーの契約により40manロスターから誰が抜けるのかも週末には判明する見込みです。
契約内容
今回、ケビン・ピラーとレッドソックスが合意した内容は1年$4.25M。今のところクラブオプションなどは明らかになっていませんが、つくのではないかと思われます。
まさかのノンテンダーFA
守備の名手、ケビン・ピラーですが、現地2019年12月2日にジャイアンツからノンテンダーに。MLSが6年に満たず、5.113のケビン・ピラーはノンテンダーFAとして今オフ、所属先を探しておりました。
2019年はRBIがキャリアハイ
2011年にブルージェイズから32巡目指名でプロ入りし、2013年にデビューしたケビン・ピラーはブルージェイズ一筋で、そのままクラブの顔になるのかと思われたのですが、2019年の開幕直後に急遽トレードが決定。ジャイアンツへ移籍したのでした。したがって、2019年はブルージェイズでは5試合しか出場していません。
しかし、ジャイアンツでは156試合に出場。2019年は結局、ほぼフル出場と言っていい161試合に出場。MVPの投票でも22位に入ったのですが、オフにノンテンダーFAになるという努力と成果に見合わない扱いとなったのでした。
2019年の成績はブルージェイズとジャイアンツ双方を合算して、611打数、158安打、打率.259、OBP .287、SLG .432、HR 21、RBI 88、二塁打 37で、OPS+は89(なぜか100到達にならず)、WARは1.0。
恐ろしいほど少ないBB
ゲーム内でのインパクトもかなりあったケビン・ピラーですが、それでもノンテンダーになってしまった理由の一つがやはりOBPの低さにあると思います。一流では3割半ば以上あり、3割を超えればまあまあ良いなと思えるOBPがピラーの場合、2019年は上述の通り.287という低さ。ピラーは2015年から17年までの3年間は3割を超えましたが、2018年も.282という数字でした。
そのOBPの数字が上がらない決定的な数字が四球の少なさにあります。2019年はたった18個です!ピラーの場合、このレベルでずっと推移していて、2018年も18個で、キャリアハイが2017年の33個という少なさ。改めて調べてみると衝撃的な少なさでした。
ちなみに2019シーズンでもっと四球を選んだのはアストロズのアレックス・ブレグマンで119個。次いでフィリーズのリース・ホスキンスの116個です。
リードオフを打っていたムーキー・ベッツは2019年、97個を数えました。
圧倒的な早打ち
早打ちの打者は性分というか、さがというかもう治らないと思った方がいいです。ピラーももし気づくところがあれば直していたでしょうが、積極性はキャリアを積むごとに進むばかりです。
ピラーの2019年のファーストピッチ・スイング・パーセンテージ(1stS)はなんと39.5%。ベッツと比較してはかわいそうかもしれませんが、仮にベッツの数字と並べてみるとよくわかります。ベッツの場合、1stSは16.4%(2019)。
では年間を通じて投手に何球投げさせたか?と言えば2019年は2084球。ベッツはどうだったかと言えば、2924球。実に840球の差。打席数はベッツが706でピラーが628でしたから、ベッツの数字が多くなるのは当然ではありますが、1PA当たりの投球数はピラーが3.32になのに対してベッツは4.13。これを見てもピラーの場合、フルカウントまで行くことが少ないのは明白ですね。
安定感ある守備力
そんなケビン・ピラーですが、やはりディフェンス力は魅力です。2019シーズンはOFとしてDRS(Diffensive Runs Saved)は-9だったものの、2015年と16年はOFとしてそれぞれ22、21を記録。一時期の凄さからはやや翳りが見えたようにも思いますが、それでも安定しています。
JBJとCFで重複するが
ケビン・ピラーは外野はどこでもこなしてきましたが、圧倒的に多かったのはやはりCF。守備の要としてセンターラインにがっちり置かれていたことが多かったです。レッドソックスに入るに当たり、これまた名手のジャッキー・ブラッドリー・ジュニアと守備がかぶってしまいました。おそらくJBJをCFにピラーがRFという布陣にはなるとは思います。
よって、LFベニンテンディ、CFジャッキー、RFピラーの並びになればもはや鉄壁のOFになります。
ベルドゥーゴは開幕アウト
現地2020年2月13日に入った情報ではムーキー・ベッツとのトレードでレッドソックスに加入したアレックス・ベルドゥーゴは開幕アウトの見込みです。2019年8月にも腰の痛みと腹斜筋の痛みでIL入りとなった経緯がありましたが、その箇所が傷んだ模様です。
ケビン・ピラーにRFのチャンスが巡ってきたようですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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