トレードはファイナライズへ
現地2020年2月9日、ムーキー・ベッツが絡んだトレードがついにファイナライズとなりました。
このトレードは一旦レッドソックス入りとなっていたツインズのプロスペクト、ブラスダー・グラテロル(Brusdar Graterol/21才)RHPの右肩のメディカル・イシューをレッドソックス側が指摘。プロスペクトを増やすかどうかという点が焦点となっていました。
ファイナライズ詳細
このトレードは結局、3チームトレードではなくレッドソックスとドジャース間、ドジャースとツインズ間で成立。
そしてその余波を受けて、一旦は成立しかかっていたドジャースとエンゼルス間のトレードがキャンセルとなりました。
詳細です。
【レッドソックス & ドジャース】
レッドソックスGet
- アレックス・ベルドゥーゴ(Alex Verdugo/23才): OF/ 左投げ左打ち
- ジーター・ダウンズ(Jeter Downs/21才)SS/ 右投げ右打ち
- コナー・ウォン(Connor Wong/23才): C・2B・3B/ 右投げ右打ち
ベルドゥーゴのレッドソックス入りは変わらず。ブラスダー・グラテロールに代わり、レッドソックスはドジャースからSSのジーター・ダウンズを獲得。ダウンズは2018年オフに成立したヤジエル・プイーグらが動いたドジャースとレッズ間のブロックバスタートレードでレッズからドジャースに移籍した一人でした。Pre-2020のプロスペクト・ランクで44位。ボガーツの次の世代のSSが出来た模様。小さく見えますが、180cmあります。
さらに捕手のプロスペクト、コナー・ウォンも獲得。コナー・ウォンは2017年ドラフトでドジャースから3巡目指名を受けた選手。2019年はダブルAも経験。40試合で打率.349という素晴らしい数字を残しています。
ドジャースGet
- ムーキー・ベッツ(Mookie Betts/27才):OF/右投げ右打ち
- デービッド・プライス(David Price /34才): LHP
- キャッシュ($48M)
レッドソックスからドジャースへのムーキー・ベッツとデービッド・プライスのトレードは変わらず。
キャッシュですが、まずデービッド・プライスは2016-22年の7 年/$217Mの契約を結んでおりました。2016-19年を消化。2020-22年の残り3年が残っております。この間のサラリーが年間$32Mx3年で計$96Mが残債。レッドソックスはこのうちの半分の$48Mをドジャースに支払います。
【ドジャース&ツインズ】
ドジャースGet
- ブラスダー・グラテロール(Brusdar Graterol/21才)RHP
- ルーク・ラリー(Luke Raley/25才)OF: 右投げ左打ち
- 2020年ドラフト67位ピック
渦中の人となったグラテロールですが、結局ドジャースが引き取りました。ドジャースはさらにルーク・ラリーを獲得。ルーク・ラリーはもともとドジャースの選手。2016年ドラフトでドジャースから7巡目指名を受けました。2018年のトレードデッドラインでドジャースがブライアン・ドージャーを獲得したトレードでツインズに移籍。今回は再加入となります。ただ、またしても左打ちの外野手。
ツインズGet
- 前田健太投手(Kenta Maeda/31才)RHP
- マイナーリーガー(明らかになっておらず)
- $10Mキャッシュ
前田選手のトレードも当初と変わらずです。ツインズはドジャースからマイナーリーガーを一人ゲットしつつ、$10Mのキャッシュも受け取ることになっています。前田投手はツインズで先発としての稼働する条件も入っているものと推測されますので、ご本人にとっても良いチャンスかもしれません。ミネソタは春先寒いので体調管理だけは気をつけてもらいたいと思います。
【キャンセル】
以下の4名はトレードがなくなりましたので旧チームのままです。
エンゼルス入り(キャンセル)
- ジョク・ピダーソン(Joc Pederson/27才)OF/ 左投げ左打ち:ドジャース
- ロス・ストリップリング(Ross Stripling /30才)RHP:ドジャース
ドジャース入り(キャンセル)
- ルイス・レンヒーフォ(Luis Rengifo/22才)2B・SS/右投げスイッチ:エンゼルス
- アンディー・ページ※(Andy Pages/19才)OF/ 右投げ右打ち ※名前の表記はスペイン語。「パガス」かもしれません。:エンゼルス
メディカルの見解
グラテロールのメディカルの見解でもめた当該トレードですが、ドジャースがグラテロールを引き取ることとなりました。
上記にある当初のトレード記事の追記にも書かせていただいたのですが、グラテロールはトミー・ジョンの経験と2019年にインピンジメント症候群を患ったことがありました。レッドソックスにとってはそこがひっかかったポイント。
ところがツインズもドジャースもメディカルに問題なしの見解。ここが色々と勘ぐられたところでもあります。しかも、サイン・スティーリングの問題も絡んでのことです。
レッドソックスのメディカルは独自に厳しい基準を設けています。かつて松坂投手が在籍していた頃、投げ込みで肩を作っていく調整スタイルの松坂投手に重くのしかかったのはクラブの独自基準の投球制限。これにより松坂投手は思うような調整が出来ずに試行錯誤したという経緯がありました。本末転倒かと思うくらい、肩・肘のケアには敏感です。
今回、レッドソックスだけがメディカルに独自の見解を出した訳ですが、グラテロールがドジャースで故障してそれ見たことか、などとはファンとしても思いません。むしろ、すんなり稼働すればそれはそれで良いことだと思います。ただ、独自のメディカルの基準を持っているのは良いことだと思います。
ピダーソンはLADのままに
ドジャースがエンゼルスとのトレードで右打者のレンジフォを獲得できたことは左偏重のドジャースにとっては良かったなと思ったトレードでしたが、結局キャンセルとなりました。
ピダーソンはドジャースに縁があるのでしょうか?いずれにせよ、ゲームチェンジャーの資質を持つピダーソンはクラブにとってはキープする価値はあると思います。
ドジャース、エンゼルスともにむしろ補強ポイントは投手だと思っていたので、仮に双方ともに良い野手を出すのなら、投手とのトレードである方がよいとは思います。
以上、一旦ファイナライズとなった今回の大型トレードの顛末でした。
それにしてもこれだけの大きな名前が絡んだトレードが形を変えたり、キャンセルになったりするのはここ数年では珍しいことです。もっとも表に出る前に潰えているのが大半かもしれませんが、報道段階になってからのキャンセルは珍しいです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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