HOT STOVE 2020
現地2019年12月28日もディールが決まっております。年末になって活況になっているのがナ・リーグ東地区のマーリンズ。ジーターも予算が少ない中、チーム編成に躍起になってきているようです。
ディールが決まったのはフィリーズからFAとなっていた2018年ゴールドグラブ賞受賞者のコーリー・ディッカーソン(Corey Dickerson)です。
契約内容
マーリンズとディッカーソンの契約は2年/$17.5Mのディール。現地2019年12月28日の段階ではまだフィジカルチェックの結果待ちです。なおコーリー・ディッカーソンは今回が初FAでしたが、シーズン途中でパイレーツからフィリーズへトレードとなったため、QO案件ではなくなりました。
2019シーズンが$8.5Mだったので均等割にしてやや増というところです。
レフティーが欲しかったマーリンズ
マーリンズはオフシーズンのターゲットとしてコーリー・ディッカーソンを早くから設定していました。同時にコール・カルフーン、ヤジエル・プイーグもそのターゲットでしたが、カルフーンは現地2019年12月24日にDバックスと2年/$16Mでサイン。残るターゲットはディッカーソンとプイーグでしたが、レフティーを優先させたいとの意向からディッカーソンに決まったと見られます。また、年俸単価の要素もあったとは思います。
マーリンズは右打者多し
ディッカーソンに決定したマーリンズは珍しくレフティー不足でした。現地2019年12月28日時点でのポジションの想定として、外野はCFに足を活かせるジョン・ベルティ(J. Berti)、LFにハロルド・ラミレス(H. Ramirez)、ギャレット・クーパー(G. Cooper)が。RFにはブライアン・アンダーソン(B. Anderson)というメンバー。外野はいずれも右打者なのです。
ではOFだけではなく、ラインナップ自体にレフティーがいるのかというのと、内野手もほぼ右打者ばかり。
- C: ホルヘ・アルファーロ(右)、フランシスコ・セルベリ(右)
- 1B: ヘスス・アギラル(右)
- 2B: イーサン・ディアス(左)
- 3B: ジョンナサン・ビヤー(スイッチ)
- SS:ミゲル・ロハス(右)
- LF: ハロルド・ラミレス(右)、ギャレット・クーパー(右)
- CF:ジョン・ベルティ(右)
- RF: ブライアン・アンダーソン(右)
左打者はイーサン・ディアスのみで、あとはジョナサン・ビヤーがスイッチというのみ。右投手で腕がやや下がる系の投手と対戦した時はやはり左打者が欲しいところだったので、コーリー・ディッカーソンが最適だったということになりそうです。
自由が効くラインナップ
コーリー・ディッカーソンがどのポジションに就くかということですが、外野のコーナー・スポットでLF、RFということになりそうです。RFのブライアン・アンダーソンは3Bも対応可。ジョナサン・ビヤーが試合展開次第で3BあるいはSSも守った場合、彼が3Bスポットに入りそうです。
CFのジョン・ベルティもユーティリティで、CF設定にしてありますが、2B、SS、3Bも対応可。
よって、打撃力を活かしたい時はコーリー・ディッカーソンを打線の中心に据えて、守備は柔軟に対応できそうです。
コーリー・ディッカーソンとは
あらためてコーリー・ディッカーソンのキャリアについて記しておきたいと思います。1989年5月22日生まれの30才。シーズン途中で31才になります。ドラフトは2010年ロッキーズ8巡目指名。実は前年の2009年にもロッキーズに指名されており、この時は拒否しましたが29巡目での指名でした。
COL→TBR→PHI
デビューはロッキーズ時代の2013年。24才の時でした。
2016年1月下旬にロッキーズとレイズ間のトレードで、現ロッキーズの豪腕左腕ジェイク・マギーがロッキーズに移ったトレードでレイズへ。
2018年2月にはレイズとパイレーツ間で成立したトレードでパイレーツへ移籍。この時、レイズにはダニエル・ハドソンが動いています。ダニエル・ハドソンは2019年のポストシーズンでナショナルズのクローザーとして大活躍しましたね。
そして2019年のトレードデッドラインでパイレーツからフィリーズへ移籍。パイレーツにはインターナショナル・ボーナス・スロットと後日指名の選手が動くことになっていました(まだ選手は確定しておりません)。
そして2019年にFAとなったのでした。
2017 ASG & 2018 GG
ロッキーズ時代のデビュー2年めの2014年には131試合に出場。打率.312、OBP .364、SLG .567、HR 24、RBI 76と早くも頭角を現します。しかし、デビュー3年めの2015年は足底筋膜炎により2度のIL、さらに8月には守備でダイブをした際に肋骨を骨折。このシーズンは結局65試合出場に留まりました。
レイズへ移籍後の2016年から2シーズンは2年連続でレギュラーとして出場。2017年にはオールスターにも出場。
パイレーツ1年目の2018年もレギュラーとして出場。この年は打率.300、OBP .330、SLG .474、HR 13、RBI 55。さらにOFとしてゴールドグラブ賞も受賞しました。
MLB通算7シーズンで打率.286、OBP .328、SLG .504、HR 115、RBI 370、安打数 776、OPS+119。
2019年の成績
2019年の成績は、パイレーツとフィリーズを併せて打率.304、OBP .341、SLG .565、HR 12、RBI 59、OPS+131。
フィリーズはできればキープして欲しい選手でしたが、ブライス・ハーパー、ジェイ・ブルース、アダム・ヘイスリーがいずれも左打者。今オフはヤンキースからディディ・グレゴリアスも獲得したので余計に左打者が過剰となりましたので、再契約には至らなかった模様です。
それにしてもマーリンズの右打者傾向は本当に珍しいパターンだったと思います。ディッカーソンの加入でバランスを取り戻しつつありますので、ジョーダン・ヤマモトをアシストしてくれたら嬉しいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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