2019 プレーヤーズ・チョイス
「うかつでした。」
何が「うかつ」だったかと言えば、本題である”2019 プレーヤーズ・チョイス・アウォード(Players Choice Award)”のwinnerがとうの昔(現地10月24日)に発表されていたではないですか!しかもMLBの公式にもきちんと掲載され、選手会もツイッターでアナウンスしていたにも関わらず・・・筆者は見逃しておりました。
2018年の発表は11月27日だったのです。よって、今年も何の疑いもなくBBWAA(全米記者協会)のAwardの発表から2週間ほど経過した11月末に行われると思い込んでしまっておりました。申し訳ありません。
「2019年のプレーヤーズ・チョイスなんて知ってるよ!」という方にはいさささか遅れた話題となりますが、 今後の備忘録のためにも記載させてください。
選手が選ぶことによる価値
遅れてでも記しておきたいのは、やはりこの賞の価値にあります。
この賞の受賞者は実際にオン・フィールドでともに戦い、パフォーマンスを目撃してきた選手達によって投票され、選ばれた結果であるという点にあります。現場の選手達「あいつ、すげー!」という声が投票によって反映されている点が非常に興味深いです。
毎シーズン9月中旬にクラブハウスで投票が行われ、選手の声がきちんと反映されているかどうか、会計ファームのKPMGによって監査が行われているという徹底ぶり。
なお、「マン・オブ・ザ・イヤー」の頭についている「マービン・ミラー」とはメジャー・リーグ選手会(MLBPA)の元会長のお名前です。詳細は前年のリンクをご参照ください。
2019年受賞者
では2019年の受賞者を記載しておきたいと思います。
プレーヤー・オブ・ザ・イヤー
マイク・トラウト(LAA)
トラウトの活躍はAL MVPにも選ばれた通りです。右足の神経の痛みにより9月7日が最後の出場となりましたが、打率 .291、 45 HR、104 RBI、OPS 1.083は輝いていました。なんと言っても8年連続で27HR以上という継続性も発揮したシーズンでした。ファイナリストは以下の2名でした。
【ファイナリスト】
- アンソニー・レンドン(WSH)
- クリスチャン・イェリッチ(MIL)
マン・オブ・ザ・イヤー
カーティス・グランダーソン (MIA) 2年連続4度目
この賞はフィールドやコミュニティーにおいて、リーダーシップを発揮して他の選手をインスパイアーし、もっとも尊敬できる選手に与えられる賞です。カーティス・グランダーソンはなんと2009(DET)、2016(NYM)、2018(TOR)に次いで4度目の受賞でこれは1997年から始まった当該賞で最多の受賞です。グランダーソンがいかに選手から一目置かれている存在なのかがわかりますね。
今季は138試合、打率.183、OBP .281、SLG .356、HR 12、RBI 34と打撃ではふるいませんでしたが、まだ38才。2020年のプレーも希望しています。
ファイナリストには今季で引退のサバシアとあわや3つ目の受賞となるところだったマイク・トラウトが入っています。
【ファイナリスト】
- C.C. サバシア(CIN)
- マイク・トラウト(LAA)
アウトスタンディング・プレーヤー
【AL】 マイク・トラウト (LAA)
AL MVPに該当する賞がこちらですが、選手間でもやはりトラウトが選ばれました。ブレクマンとはここでも接戦になったかもしれません。そしてファイナリストにラファエル・デバースが入っていました。打率は.311で4位、RBI 115も4位、安打数201は2位でした。
【ファイナリスト】
- アレックス・ブレグマン(HOU)
- ラファエル・デバース(BOS)
【NL】アンソニー・レンドン (WSH)
ナ・リーグはアンソニー・レンドンが獲りました。選手からの投票で選ばれたのはやはり価値がありますね。
【ファイナリスト】
ファイナリストはMVPと同じ面々でした。
- コディー・ベリンジャー(LAD)
- クリスチャン・イェリッチ(MIL)
Name | Av. | OBP | SLG | OPS | HR | RBI | Hit | WAR |
ベリンジャー | .305 | .406 | .629 | 1.035 | 47 | 115 | 170 | 9.0 |
レンドン | .319 | .412 | .598 | 1.010 | 34 | 126 | 174 | 6.3 |
イェリッチ | .329 | .429 | .671 | 1.100 | 44 | 97 | 161 | 7.1 |
アウトスタンディング・ピッチャー
【AL】ジャスティン・バーランダー (HOU)
ジャスティン・バーランダーの受賞はサイ・ヤング賞と同じで2011年以来2度目。ファイナリストにはサイ・ヤング賞の投票と同様にゲリット・コールが入りました。そして今季8連勝を含む14勝で旋風を巻き起こしたルーカス・ジオリトも入っていました。
【ファイナリスト】
- ゲリット・コール(HOU)
- ルーカス・ジオリト(CWS)
【NL】ジェイコブ・デグロム (NYM) 2年連続
ジェイコブ・デグロムは2年連続の受賞。ファイナリストにはソロカとリュウが入りました。
【ファイナリスト】
- マイク・ソロカ(ATL)
- ヒュンジン・リュウ(LAD)
アウトスタンディング・ルーキー
ルーキーの結果はBBWAAと同じになりました。
【AL】ヨルダン・アルバレス(HOU)
アルバレスはやはり選手間でも認められていたんですね。ファイナリストにはご覧の二人で、イーロイ・ヒメネスが入っていたのは喜ばしいところです。
【ファイナリスト】
- ルイス・アラエズ(MIN)
- イーロイ・ヒメネス(CWS)
【NL】ピート・アロンソ (NYM)
これはもう文句なしですね。ソロカとブライアン・レイノルズがファイナリストでした。
【ファイナリスト】
- マイク・ソロカ(ATL)
- ブライアン・レイノルズ(PIT)
カムバック・プレーヤー
こちらは故障、あるいは成績不振に陥っていた選手が不死鳥のように復活して活躍した際に送られる賞です。”MLB Comeback Player of the Year Award“の発表はまだです。今回はプレーヤーズ・チョイス版です。
【AL】ハンター・ペンス(TEX)
ハンター・ペンスはジャイアンツがWSチャンプを取った2014年にオールスター出場、MVP投票の11位に選ばれましたが、以降の4シーズンは特に目立つことなく、2018年オフにFAになり、レンジャーズと契約を結ぶもマイナー契約。そこから這い上がり、83試合でしたが、打率.297、HR 18、RBI 59を記録。オールスター出場も話題になりました。またファイナリストにはジオリトとともに48HRでALのHRキングとなったホルヘ・ソレアーも入っていました。
【ファイナリスト】
- ルーカス・ジオリト(CWS)
- ホルヘ・ソレアー(KCR)
【NL】ジョシュ・ドナルドソン(ATL)
どうしてジョシュ・ドナルドソンなのか?と不思議に思ったのですが、よく調べると、ジョシュ・ドナルドソンの2018シーズンは悪く、在籍していたブルージェイズとインディアンスの分を合わせても52試合しか出場していなかったのです。HRも8本でルーキーイヤーと並ぶほど悪い数字でした。しかし、今季は155試合に出場して37HR。2013年から2016年のレベルまで回復したことが受賞理由ですね。
ファイナリストにソニー・グレーが入っていましたが、実は成績は2018年と2019年はほぼ変わりません。11勝です。ただ、ERAが4.90から2.87に上がりました。これは常勝が要求されるクラブからの開放により改善されたと見た方がいいかもしれませんね。その意味ではカムバックの候補だったでしょうか。
【ファイナリスト】
- ソニー・グレー(CIN)
- ヒュンジン・リュウ(LAD)
Congratulations!
どうしてアナウンスを見逃したんだろうと思ったら、ワールドシリーズのGame2の翌日の移動日での発表でした。
お読みいただき、ありがとうございました。
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