ストーブリーグ For 2020
現地2019年11月3日、2019ワールドシリーズMVPでその動向が注目されていたスティーブン・ストラスバーグ(Stephen Strasburg)がオプトアウトを実行。FAとなりました。
現契約
ストラスバーグの現契約は2016年5月に合意したもので、2017年から23年までの 7年/$175M。
【他の条項】
その他に下記の条項が盛り込まれていました。
- サイニング・ボーナス$10M。2019年7月1日に支払い(済)
- 支払いは以下の通り。
現契約 | 繰延分 |
・2017: $15M ・2018: $15M ・2019: $35M=>$30M繰延 ・2020: $25M=>$10M繰延 ・2021: $15M ・2022: $15M ・2023: $45M=>$30M繰延 | 繰延払い分計$70M ・2024-30: $10Mずつ支払い (7年間) ・2019オプトアウト $30Mを2020-22に$10Mずつ繰延払い ・2020オプトアウト $40Mを2021-24に$10Mずつ繰延払い |
- 繰延払いの$70M(2019年の$30M分、2020年の$10M分、2023年の $30M分)は利息なしで記載。支払いは2024-30年の7年間、 毎年7月1日に $10Mずつ支払い。 現在価値で表すと現契約は$162Mになる。(現在価値説明)
【現在価値の説明】将来の金額とは金利がついた上での額なので、それを今の価値に直すときには金利分を差し引いて算出することになるという考え方。
- 2019年と2020年終了後にオプトアウト可:
- 2019年終了後にオプトアウトした場合、$35Mのうちの$30Mは 2020-22のそれぞれ7月1日に3回にわたって$10Mずつ繰延払い
- 2020年終了後にオプトアウトした場合、2019年の$30Mの繰延払い分と2020年の繰延払い分$10Mを合わせた計$40Mの繰延払いを2021-24のそれぞれ7月1日に4回にわたって$10Mずつ繰延払い
- 180IPした場合は年間のサラリーに $1Mボーナス追加
- 2017シーズンから限定されたノートレード条項あり。(ちなみにストラスバーグは2020年5月にMLB通算10年、同一クラブ通算5年以上の10-5ルールの適用が可能に。2019年終了時点でMLSは9.118のはず。)
非常に現実的で賢い契約
とてもややこしい契約に思えますが、すぐに入金が途絶えないように将来に渡って平たく受け取れるように設定したものです。2020年で32才となり、すでにトミー・ジョン手術を行ったことのあるストラスバーグとしてはこうすることで将来の不安を払拭したかったのでしょう。トミー・ジョン手術を経験した投手の中ではもっとも大型の契約でもありました。
ラグジュアリーカーを複数台とか自家用ジェット購入とかの無駄使いさえしなければ、これで残り人生を満喫できそうです。
仮にナッツを出る場合
ちょっと詳細に書きすぎましたが、ストラスバーグは現時点でFAです。よって2020シーズンに他のクラブと契約した場合は、新クラブが2020年以降新たな契約を結ぶことになります。ただ、交渉の条件としてはナッツと交わした契約がベースになり、チャップマンの時のように色をつけて、延長あるいは増額ということになるかもしれません。エージェントはスコット・ボラス氏です。
現時点でのナッツの支払いはもちろん2019年の範囲まで。
【ナッツの現時点での支払い】
現契約 | 繰延分 |
・2017: $15M 済 ・2018: $15M 済 ・2019: $35M=>$30M繰延 ・サイニング・ボーナス$10M。 2019年7月1日(済) | ・2019オプトアウト $30Mを2020-22に$10Mずつ繰延払い |
ナッツの2019年の贅沢税
ストラスバーグの贅沢税上のサラリーは2019年は$25Mで反映されそうです。またナッツの2019年終了時点の贅沢税の計算は基準額の$206Mを7万ドルほど超えそうです。
ストラスバーグの2019年
ストラスバーグの2019シーズンは素晴らしいの一言に尽きます。33試合、209 IP、18勝6敗、ERA 3.32、奪三振251、WHIPが1.038、WARは6.5。勝利数、奪三振で1位です。
サンディエゴ・ネイティブ
もともとサンディエゴ出身のストラスバーグ。本人の希望は西海岸のクラブでのプレーで、噂のあるパドレス、ドジャース、エンゼルスがどう動くか、注目されます。
もちろん、ナッツとの再契約の線も残されていますし、ヤンキースやフィリーズなども虎視眈々と機会を狙っております。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント
よって2020シーズンに他のクラブと契約した場合は、新クラブが2020年以降の条件を飲むことになります。
とありますが、
オプトアウトは完全にFAになるのであり、WSHとの契約を引き継ぐわけではないと思います。もっと言えば売れ残った場合、現行の残り契約より低い契約で再契約する可能性もあります。
匿名様
コメントありがとうございました。
ご指摘ありがとうございます。匿名様のおっしゃるとおり、新契約です。
そこも承知しているのですが、新契約となってもナッツと交わした契約をベースに交渉するだろう
との意味で書いたつもりだったのですが、改めて読んで見ると、ご指摘されるように引き継ぐという
ようなニュアンスを与えていると思いました。
実務的な話と混同したような表現になっており、誤解を与えそうなので表現を変えさせていただきます。
お手数をおかけしました。
ご指摘下さり、ありがとうございます。
[…] 【MLB契約2020】ストラスバーグがFAに!オプトアウトを行使 […]