2020年クラブ・オプションのお話
惜しくもポストシーズン出場とならなかったインディアンス。現地2019年10月2日、インディアンスの契約の話題が入ってきました。
チームの編成を担うベースボール・オペレーション社長のクリス・アントネッティ氏が現地2019年10月2日に行った記者会見によると、クラブは以下のことを実行すると発表しました。
- 右腕コーリー・クルーバー(Corey Kluber )との契約の2020年、$17.5Mのクラブ・オプションを実行
- 2Bジェイソン・キプニスとの$16.5Mのクラブ・オプションは拒否、$2.5Mのバイアウトを実行
- 右腕ダン・オテロの$1.5Mとのクラブ・オプションも拒否、$100K($0.1M)のバイアウトも実行
コーリー・クルーバーの契約
インディアンスとコーリー・クルーバーは2015年4月に5年$38.5Mの契約延長に合意。
サラリーは以下の内訳です。
- 2015(29才): $1.2M
- 2016(30才): $4.7M
- 2017(31才): $7.95M
- 2018(32才): $10.7M
- 2019(33才): $17.2M 終了後、2020年のクラブオプション
- 2020(34才): $17.5M 終了後、2021年のクラブオプション
- 2021(35才): $18M
Contract Notes :
2020-21 のクラブオプションには $1M buyoutがついています。その他、サイヤング賞が何位であったか?ということに関してもボーナスがついている契約。
災難だったクルーバーの2019シーズン
コーリー・クルーバーは2014年と2014年にサイヤング賞を受賞。2017年はERAのタイトルも獲得。さらに2018年は20勝7敗。通算98勝58敗のMLBを代表すると言っても過言でない右腕。
ところが2019シーズンはシーズン序盤の2019年5月1日のマーリンズ戦でブライアン・アンダーソンの打球が右腕に直撃。腕の大きな骨である前腕部の尺骨を骨折し、そのままシーズンエンドとなりました。
2019年は7試合、35.2イニングで2勝3敗、ERA 5.80に終わりました。
トレードによる戦力ダウンの中、大躍進したインディアンスでしたが、彼がいたらもっと違う結果になっていたとも言えるでしょう。
2020オプション実行で最後の見込み
クリス・アントネッティ氏が発表した内容は2020シーズンのみについての言及にとどまりました。クラブオプションはその年の実績を考えて来季どうするのかを判断するわけですから当然と言えば当然です。
コーリー・クルーバーの懸念は年齢と酷使による衰え。
キャリア通算の1,341.2イニングは、年当たりだと222.0イニング。
クオリティー・スタートの%は2017年と2018年はそれぞれ76%をヒットしていたのに対し、2019年は29%。2019年は調子が上がる前にサイドラインに退いたということを考慮してもちょっと心配な数字。
2019年の平均ベロシティーは2018年の91.7 mphから91.6mphへとわずかながらではありますが、落ちてきてはいます。
よって、インディアンスとしてはクラブオプションの実行は2020で最後にし、2021年は実行せず、バイアウトを払うという決断になるのではないか?と思われます。
ジェイソン・キプニスとはオプションを実行せず
インディアンスとジェイソン・キプニスとの現契約は2014年4月に合意した6年52.5Mの延長。
これにはクラブオプションがついていて、2019年終了後の2020へのオプションが$16.5Mでした。バイアウトした場合、$2.5M。
今回、インディアンスはオプションを実行せず、バイアウトを選択しました。2020年は契約をしないということですね。キプニスはFAとなります。
長年にわたり、インディアンスを支えてきた2Bは2019シーズンが32才のシーズンでした。
今季は121試合、打率.245、HR 17、OBP .304、SLG .410、RBI 65。
今季インディアンスの2Bを守ったのは、31才のマイク・フリーマン、29才のブラッド・ミラー。年齢と打撃のインパクトを考えると代わりを務めるにはいささか役不足の感は否めません。
インディアンスは再契約を望んでいるという話もあります。ただ、ネックはサラリーですね。一旦FAとなり他クラブからの需要がなく相場が下がったなら、再契約できるかもという目論見もあるかもしれませんが、キプニスならこの渋いFA市場でも求めるクラブはあるのではないか?と見ています。
どうなるでしょうか?
ダン・オテロとは2020オプション拒否
もうひとりのダン・オテロ(Dan Otero)とは2017年12月に2年$2.5Mで契約延長に合意。今季終了後、2020年はクラブオプションで$0.1Mのバイアウトが含まれていました。
しかし、2019年は右肩痛に悩まされ、25試合、29.2イニング、ERA 4.85にとどまっていました。
若手投手が台頭してきている中、致し方ない決断かもしれませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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