バーランダーとスプリンガーで奪取
現地2019年9月22日、地区優勝までマジック1としていたアストロズがエンゼルスと対戦。前半はシーソーゲームだったものの、中盤5回に打線が爆発。13−5と大勝し、見事ア・リーグ西地区の地区優勝を決めました!
おめでとうございます!
現地2019年4月28日からずっと首位の座を明け渡すことがありませんでした!
アストロズのア・リーグ西地区制覇は、2017年から3年連続。クラブの3ピート(3連覇)は1997年から1999年までの3連覇以来となります。
【メモ】
アストロズが現ア・リーグ西地区に変更となったのは2013シーズンからです。
- 2013〜現在:ア・リーグ西地区
- 1994〜2012:ナ・リーグ中地区
- 1969〜1993:ナ・リーグ西地区
- 1962〜1968: ナ・リーグ(1962〜1964までは Houston Colt. 45s 「ヒュウーストン・コルト・フォーティーファイブズ」、通称「コルツ」という名前)
G・スプリンガーが3HR
優勝を決めたこのゲームでは1番のジョージ・スプリンガー(George Springer )が先頭打者HRを含む3HR、4打点を上げて打線の活性化に貢献。
J・バーランダーが20勝目
また、先発マウンドに上がったジャスティン・バーランダー(Justin Verlander )は5イニング92球、被安打6、失点2、与四球2、奪三振2でゲームメイク。今季20勝目を上げました。
2019年の補強が大成功
まずALCSまで行った2018年から戦力が大きく変わりました。
投手ではゲーム後半を努めたケン・ジャイルズがブルージェイズへ、ローテーションの一人、チャーリー・モートンがFAでレイズへ、そしてランス・マッカラーズ・Jr.は2018年11月にトミー・ジョン手術というマイナス。
野手ではマーウィン・ゴンザレスがFAでツインズへ、ブライアン・マッキャンもFAでブレーブスへ。また、捕手のM・マルドナードはシーズン開始直後はロイヤルズへ(TDLで復帰しました)、エバン・ガティスはFAで放出というマイナス。
そして2019年に補強した主なメジャー契約の選手はご覧の通り。
- マイケル・ブラントリー(Michael Brantley)(CLE)OF 2年契約
- ロビンソン・チリノス(Robinson Chirinos)(TEX)C 1年契約
- ウェイド・マイリー(Wade Miley)(MIL)LHP/SP 1年契約
- アレドミス・ディアス(Aledmys Diaz)(TOR)SS トレードで獲得
- ザック・グレインキ(ARI)RHP: TDLで獲得
- マーティン・マルドナード(CHC)C : TDLで獲得
- アーロン・サンチェス(TOR)RHP: TDLで獲得
- ジョー・ビアジーニ(TOR)RHP : TDLで獲得
※TDL=トレードデッドラインの意。
アーロン・サンチェスは今ILに入っていますが、全員活躍していますね。とくにマイケル・ブラントリーの獲得は大きかったと思います。
【MLB移籍2019】アメリカン・リーグ西地区各クラブの移籍と戦力のまとめより
なかでも他の追随を許さないのが先発ローテーション。
ザックの加入でとんでもないローテが完成
現地2019年9月22日時点のアストロズの先発ローテーションのスタッツはご覧の通り。
- ジャスティン・バーランダー:20-6 / ERA 2.53 / 217.0 IP
- ゲリット・コール:18-5/ ERA 2.61 / 200.1 IP /302 SO
- ザック・グレインキ:17-5/ ERA 3.05 / 200.1 IP /178 SO ※移籍後7勝1敗
- ウェイド・マイリー: 14-6/ ERA 3.91 / 163.1 IP /138 SO
ゲリット・コールのSOは両リーグ通じて最多。バーランダーは、勝利数、イニング数、ERA、WHIPでア・リーグ1位。
そしてトレードデッドラインでザック・グレインキを獲得。盤石としかいいようがなかったです。
ERA0.00のライアン・プレスリーに最大の賛辞を
これは筆者の考えではあるのですが、今回のアストロズの3ピート達成に大きく貢献した選手を一人ピックしろと言われれば、筆者はライアン・プレスリー(Ryan Pressly)を挙げたいと思います。
ライアン・プレスリーは現地2019年9月22日時点でのシーズンスタッツは52試合、51.1イニングで2勝3敗3セーブ、ERA 2.45と優勝チームのブルペンとしては飛び抜けた数字を出している訳ではありません。
しかし、長いシーズンには長期的な流れの戦い方というのがあって、チームをその波にうまく乗せたのがライアン・プレスリーと言っていいでしょう。
アストロズは開幕7戦で2勝5敗という悪いスタートから始まりました。その後4月4日から16日まで10連勝し波に乗った訳ですが、これを大きく後押ししたのがライアン・プレスリー。
なんと3月、4月のERAは0.00 !
初めて喫した失点が5月24日のレッドソックス戦。もう6月が見えている時期です。その日までの19登板をずっとERA 0.00で通したということになります。39イニングスコアレスというクレイグ・キンブレル超えを果たしたのでした。
月別のERAの推移はご覧の通りです。
- 3月/4月:ERA 0.00
- 5月:ERA 0.64
- 6月:ERA 4.35
- 7月:ERA 4.70
- 8月:ERA 6.00
6月から悪化し始めたのは右膝の怪我の影響がありました。7月後半から8月の半ばまで10Day IL入り。8月に一度復帰するも末日に再度IL入り。右膝の内視鏡手術に踏み切ったのでした。
そして現地2019年9月22日、ILから復帰。これから数試合はポストシーズンのために調整に入る予定です。
プロスペクトの台頭
またヨルダン・アルバレスの台頭はチームの打撃力にさらに泊をつけたような形に。
8月22日には22才の3B、エイブラハム・トロ(Abraham Toro)がコールアップ。すでに22試合を経験(現地2019年9月22日時点)。
9月2日には野手のプロスペクトで期待値の高いカイル・タッカーも上がってきました。
投手ではホセ・ウルキディ(Jose Urquidy) が7月にデビューし、経験を積んでいます。
新陳代謝もうまく行っていますね。
アレックス・ブレグマンの安定感
打撃ではアレックス・ブレグマンの存在感が大きかったですね。2018年はホセ・アルトゥーベの欠場がチームの成績に大きく影響したのですが、今季は打撃力は安定していました・
以下、数字は現地2019年9月22日時点のものです。
打率ではマイケル・ブラントリーが.315、ユリ・グリエルが.305、アレックス・ブレグマンが.293、ホセ・アルトゥーベが.300、ジョシュ・レディック .271、ジョージ・スプリンガーが.292。
HRはアレックス・ブレグマンが39、ジョージ・スプリンガーが38、ホセ・アルトゥーベとユリ・グリエルが30、ヨルダン・アルバレスが27、マイケル・ブラントリー、カルロス・コレアが21、ロビンソン・チリノスが17。
RBIはアレックス・ブレグマンが108、ユリ・グリエルが102、ジョージ・スプリンガーが94、マイケル・ブラントリーが86、ヨルダン・アルバレスが77、ホセ・アルトゥーベが70など。
今季はカルロス・コレアがマッサージで肋骨を折るというハプニングがあり、得点力の低下が心配されましたが、マイケル・ブラントリーの加入は本当に大きかったと思います。さらにヨルダン・アルバレスが得点力アップに加勢したという形です。
そして1年間ずっと結果を出し続けているアレックス・ブレグマンの存在感は大きいですね。
なお、今年の強さはオールスターに6人も選出されたという事実を見ても明白でしたね。
アストロズ、おめでとうございます!
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント
アンドリュー・ミラーからトレンドになった「9回でなく、ゲームの本当の要所にベストリリーバーを投入すべき」という起用法のただしい系譜ですよねプレスリー
ただ実力で劣るとはいえオスーナのことも忘れないであげてほしいのです…(03.2019年の補強が大成功の項でジャイルズの名前が挙がっていますが’18シーズン中にトレードされます)
あとハリスもプレスリーほど長くはなかったものの結構な期間ERAゼロマンやってた気がします
これだけ揃っていても最強ブルペンの誉れがNYYから動かないのは3人以外が頼りないということ
PSではヒンチの投入タイミングに注目ですね
匿名様
コメントありがとうございます。
ロベルト・オスーナ: 4-3-36SV/ 64G-63.0 IP おっしゃるように彼がいないとレッドソックスのようになっていたかもしれませんね。しっかりとした後ろがいることは本当に重要で、功績は讃えないといけませんね。
シーズン序盤のプレスリーを忘れてないで!の思いから書きました。
ウィル・ハリスもよかったですね。あらためて調べて見ると、すごかったです。
4-1 ERA 1.55 / 65G-58.0IP (through 2019/09/23)
さらに長期のスコアレスでは4期間ありました。
1. 10試合連続スコアレス(3/30-4/26)
2. 11試合連続スコアレス(5/2-6/1)
3. 9試合連続スコアレス (6/8-7/2)
4. 7試合連続スコアレス継続中(9/2〜)
PSのロスターに注目したいと思います。
コメントありがとうございました。教えていただいてよかったです。