抜群の好ゲーム
現地2019年9月21日のカージナルス@カブス戦はカブス目線から言えば「悲劇」としかいいようの結末、カージナルス目線で言えば「ミラクル」の発生。
人為的にシナリオをプランしたとしても、絶対に書かない結論で終わりました。
1つ言えるのは抜群の好ゲームだったということ。そのエッセンスを醸し出したのがカブスの諦めないひたむきな姿勢でした。
予めのご報告ですが、本日もカブス目線で記載していることをご容赦願えればと思います。
ダコタ・ハドソンがコントロールに苦しむ
このゲームの先発はカブスがホセ・キンタナで、カージナルスがダコタ・ハドソン(Dakota Hudson)。ハドソンはルーキーながら、今季すでに16勝7敗を上げています。
1回表、カージナルスは2番2Bに入っているこれまたルーキーのトミー・エドマンがトリプルで出塁。いい選手ですね!エドマンは次打者のポール・ゴールドシュミットのボテボテの3Bゴロの間にホームインし、カージナルスが1点を先制。
その裏、カブスは2番のニコラス・カステヤーノスがダブルで出塁。その後ですが、信じられないことが起こります。ダコタ・ハドソンがなんと4者連続四球。押出で2点を許し、さらにジェイソン・ヘイワードにも犠牲フライを打たれ、この回計3失点。1回を終わって3-1とカブスがリードする展開となりました。
アンソニー・リッゾ、傷めた足で二塁打!
2回裏、カブスは1アウトからアンソニー・リッゾが左中間の真ん中に長打を放ち、チャンスメイク。この時足を傷めているにもかかわらず2塁へ向かって激走。セーフとなり、チャンスメイク。この2塁打はちょっと泣けてきそうなプレーぶりでしたね。戦う姿勢を見せてチームを鼓舞していましたね。
しかし残念ながらカステヤーノスとクリス・ブライアントにヒットが出ず無得点。
STL、ゴールディーの犠牲フライで追い上げ
3回表、カージナルスは先頭のダコタ・ハドソンのシングル出塁をきっかけに、ポール・ゴールドシュミットの犠牲フライで1点を奪い、スコアは3−2 に。
ホセ・キンタナが捕まる
4回表、カブス先発のホセ・キンタナがつまりました。ヒットと四死球で1アウト満塁とされた後、キューバ出身のルーキー、ランヘル・ラベロ(Rangel Ravelo :27才)にシングルを許し、3−3のタイに。
カブスはたまらず29才のルーキー左腕のダニー・ハルツェン(Danny Hultzen )にスイッチ。しかし、ハルツェンはデクスター・ファウラーに2点タイムリーシングルを許し、5-3と逆転を許します。
その後はデュアン・アンダーウッド・ジュニア(Duane Underwood Jr. )にスイッチし、後続をなんとか抑えました。
カブス、イアン・ハップのHRで同点に
4回裏、カブスはランナーを一人置いて、イアン・ハップが同点HRを放ち、ゲームは再び5−5のタイに。
カブス、ニコ・ホーナーが勝ち越しHR
前日、貧打に泣いたカブスですが中盤、畳みかけます。6回裏、ルーキーのニコ・ホーナーが左中間スタンドにHRを放ち(今季3本目)、6−5と1点リード。
STL、M・オズーナが逆転2ランHR
しかし、7回表、前のイニングからマウンドに上がった左腕のカイル・ライアン(Kyle Ryan)がポール・ゴールドシュミットに四球。次打者のマーセル・オズーナに2ストライクと追い込みながらカーブを叩かれ、逆転の2ランHRを許し、カージナルスに7−6とリードを許してしまいます。
トニー・ケンプ、一度死ぬも復活し逆転HR!
ここでハプニングが起きます。
7回裏、カージナルスのマウンドには前日好投のジオバニー・ガヤェゴス(スペイン語発音だとガジェゴス: Giovanny Gallegos)が上がりました。カブスはカイル・シュワーバーが三振に倒れた後、ベン・ゾブリストが二塁打を放ちチャンスメイク。
次打者は投手のカイル・ライアンであったため、カブスベンチは代打にトニー・ケンプを起用。トニー・ケンプは簡単に追い込まれ、3球目を空振り三振。
三振一転、ボーク判定で復活
ところが、3球目のガイェゴスの投球動作が完全にセットをしていなかったということで2塁塁審からボークの判定。
これによりランナーに安全進塁権が認められ、ゾブリストは3塁へ。
バッターには投じられたボールはノーカウントとなるため、つまり空振り三振を喫したボールがなかったこととなり、2ストライク・ナッシングでゲーム再開。
まったく合っていなかったケンプだったので、誰も期待していなかったところでしたが、再開後のボールをフルスイング。ベルト付近の高さに来ました。これがなんと2ランHRとなり、カブスが8-7と逆転。
これにはスタンドも大盛りあがり。運も味方につけ、カブスがこのまま乗り切るぞという流れになりました。
カージナルス、2球で逆転
8回は両チームともに無得点。カージナルスはランナーを2人出しましたが、カブスのブラッド・ウィックが抑えました。
そして迎えた最終回。カブスはこの1点を守り抜きたいところでクレイグ・キンブレルを起用。守備位置も入れ替え、万全の体制で臨みましたが、まさかの出来事が起こりました。
先頭のヤディアー・モリーナに投じたボールは97.3mphのアウトハイの4シーム。これをモリーナが豪快に左中間に放り込み、カージナルスは1球で8−8の同点に。
同点のショックを立て直す間もなく、次打者のポール・デヨングには96.2mphの4シームを今度はCFへ叩き込まれ、なんとたった2球で逆転を許してしまいました。
キンブレルはその後、打者2人を2三振で切り抜けたのでなおさら、モリーナとデヨングへの投球が悔やまれたのでした。
キンブレル、Game1に続きクロージング失敗
クレイグ・キンブレルがちょっと心配です。この日は1点差リードをたった2球で逆転を許すという厳しい結果に。
Game1においても味方が最終回の土壇場で3点差を追いついたにもかかわらず、直後にHRを浴びる結果に。
打たれているのはいずれも初球の4シームでとても甘い高さです。キンブレルの4シームは持ち味と言えば持ち味ですが、完全に初球から狙われているので、せめて入り方を工夫してもいいかと思います。いいカーブとスライダーがあるのですから。肘を傷めていたので、変化球の切れがよくないのかもしれませんが。
立ち直ってほしいですね。
バイエス代打も実らず
9回裏、カージナルスのマウンドはカルロス・マルチネス。カブスはクリス・ブライアントが四球で出塁するも後が続かず、最後はハビアー・バイエスを代打に送ってはみたものの三振でゲームセット。
カブスはこのシリーズ3連敗。全シリーズの最後の2試合も敗戦でしたからこれで5連敗に。現地21日に4連戦最後のゲームが残っていますので、なんとか一矢報いたいところですね。
順位です。ブルワーズがこの日も勝利。うーん、カージナルスへの挑戦権はブルワーズに移行したと言わざるを得ないです。
NL中地区 | W | L | G.B. |
STL | 88 | 67 | — |
---|---|---|---|
MIL | 85 | 70 | 3.0 |
CHC | 82 | 73 | 6.0 |
ワイルド | DIV | W | L |
---|---|---|---|
WSN | E | 85 | 68 |
MIL | C | 85 | 70 |
CHC | C | 82 | 73 |
NYM | E | 80 | 74 |
ARI | W | 80 | 75 |
PHI | E | 79 | 74 |
ジャージの素晴らしさ
一つ付け加えたいことですが、このゲームは両クラブのジャージ(ユニフォーム)が素晴らしかったです。
カージナルスがアメリカで非常に評判の高い、”St. Louis”版を着用。普段はホーム用でクリーム色なのですが、2019仕様ではロードでの80年代ブルー版も採用。
これが非常にかっこよかったですね。
一方のカブスのホーム用はシンプルで、ピンストライプベースにロゴマークが左胸のみに配置されたもの。このロゴマークの青と赤の配色が抜群で、キャップとアンダーシャツとソックスのブルーととてもよく合います。
今回、カージナルスがロードのオルタネイトを着用したことで、両クラブの違いがとても美しく出ていたと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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