2ヒッター、8奪三振で5勝目
嬉しいニュースが入ってきました。
マリナーズの菊池雄星投手(Yusei Kikuchi )が現地2019年8月18日のブルージェイズ戦に登板。野心あるプロスペクトが多く活気のあるブルージェイズ打線を相手に完封!今季5勝目を上げました。
もうVTRを見ていただいた方がよいと思います。
チームもカイル・シーガー、オースティン・ノラなどのHRなどで序盤、中盤、終盤にそれぞれ加点し、11安打7得点で快勝しました!マリナーズにとってはパーフェクトな日曜になりましたね!!
”マダックス”達成
100球未満でのコンプリートゲーム(完投勝利)を元ブレーブスのグレッグ・マダックスにちなんで「マダックス」と呼んだりします。
マダックスのfewer pitchの詳細は現地2019年5月3日にカブスのカイル・ヘンドリクスが81球で完封勝利を演じた記事の中で詳しく書かせていただいています。
マダックスの場合は76球で完投しました!!
出れば被弾の試練を乗り越える
菊池投手は今季26度目のスタート。前回勝利が6月23日のオリオールズ戦で実に約2ヶ月、10試合ぶりの勝利がMLB初完封となったのでした。本当に素晴らしい勝利で、拍手したくなりますね!
しかし、ここに至るまでの道程はかなり厳しい試練が与えられました。
8月13日の前回登板終了時点でERAは5.56。もっとひどい数字の投手もいますが、ローテーション投手としてはかなり悪いです。もともとはジェームス・パクストンが抜けた穴の補強という意味合いのマリナーズ入団でもありましたから、周囲やファンからも厳しい見立てをされていたのではないかと思います。
被本塁打に関してはかなり厳しい数字が出ていて、現地2019年8月18日時点での31本という数字はジャスティン・バーランダーと並んでMLBワースト。
前回までの26スタートで本塁打を打たれていない登板は8試合しかなく、直近7試合はいずれも本塁を浴びていて、8月日のアストロズ戦においては4被弾を浴びる惨状でした。まさに試練。
右足のダブルキック封印、テンポアップへ
「出れば被弾」という状況に菊池投手自らが改善に取り組みました。
コーチ、マルコ、ルブランがアドバイス
菊池投手はピッチングコーチのポール・デービス(Paul Davis)、ローテーションの中心のマルコ・ヘルナンデス(Marco Gonzales)、そしてベテラン左腕のウェイド・ルブラン(Wade LeBlanc)を交えてピッチング・デリバリー(フォーム)を相談。
その結果、それまでずっと行っていた右足のダブルキック(二段モーション)を止め、スムーズな動きで投げる結論に達しました。
ダブルキックのメリットは軸足にしっかりと体重を乗せられるということでそれによって、スピード、あるいは人によってはコントロールを安定させることができます。
下記は5月2日のインディアンス戦。ダブルキックの映像です。
ここからは筆者の素人見立てで恐縮ですが、菊池投手の場合はダブルキックにより軸足にしっかり体重は乗せられたものの、むしろそこから力みにつながっていたのではないかと推測します。
今回スムーズな右足の動きの中で、ただ体が早く流れるだけでなくて、右足をしっかり伸ばして、さらにタメを作る動作も入っており、これによってボールへの勢いとコントロールの安定にもつながったのではないかというふうに分析しました。
いずれにせよ、周囲からの協力を得られるのも日頃からの学びの姿勢を評価されてのことだと思うので、やはりよい精神性を持っておられる証拠ではないかと思います。
そしてこのいきなりの効果。
これは菊池投手のMLBでの今後のキャリアにいい影響を与えそうです。
残り7試合ほどの登板機会があると思うので、納得の行く投球をしてもらいたいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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