15-14! 双方ネバーギブアップ5度!
現地2019年8月17日、ナショナルズパークで行われたブルワーズ@ナショナルズ戦は壮絶なゲームでした。
試合時間5時間40分。ローカルタイムで7:06PMに始まったゲームは日付が変わって夜中の12:46にゲームセット。双方合わせて43名が出場したまさに総力戦。
今日本では高校野球が佳境を迎えていますが、このゲームはまるで2006年の夏の「帝京−智弁和歌山戦」をMLBで再現するとこうなったと言わんばかりの壮絶なシーソーゲームとなりました。
【現地2019年8月17日】
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | R | H | E | |
MIL | 0 | 0 | 5 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 15 | 20 | 1 |
WSH | 0 | 0 | 2 | 3 | 0 | 4 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 14 | 18 | 0 |
ブルワーズペースかと思われた3回
先発はブルワーズがTDLでパイレーツから獲得した右腕のジョーダン・ライルズ。ナショナルズがタイガース黄金時代を支えたアニバル・サンチェス。
双方ともにランナーを出しつつも初回は無失点で切り抜けました。アニバル・サンチェスは2回は三者凡退。
これで波に乗るかと思われたのですが、3回表1アウト後にピッチャーのジョーダン・ライルズに四球を与えてからおかしくなり、つづくトレント・グリシャムにも四球、そしてヤズマニ・グランダールにシングルを打たれ、満塁のピンチに。その後、クリスチャン・イェリッチ、ケストン・ヒウラ、マイク・ムスターカスに3連続タイムリーを浴び、ブルワーズが一挙5点を奪い、試合を有利に進めます。
ナッツ、2イニングで同点に
3回裏、ナショナルズは先頭のトレイ・ターナーのシングルでチャンスメイク。しかし、つづくアダム・イートンがダブルプレーを取られ、せっかくのチャンスを潰したかに思われました。
ところが、アンソニー・レンドンがシングルで出塁。そしてフアン・ソトが重心を低くして、逆方向に技ありの2ランHRを放ち、2−5に。
さらにナショナルズは4回裏に、ランナーを二人置いて前の打席でダブルプレーに取られたアダム・イートンがライトへ大きな3ランHRを放ち、5−5の同点においつきます。
これで流れはナショナルズかと思いました。
ブルワーズが8-5と再度逆転
ブルワーズは直後の5回表に、ライアン・ブラウンがRFスタンドギリギリに入るソロHRを放ち、6−5と勝ち越し。
6回表には売出し中のトレント・グリシャムが左中間スタンドに放り込む2ランHRで8-5と有利に進めます。
点差は少ないもののこれで流れはブルワーズかと思いましたが、そうはいきませんでした。
今度はナショナルズが6回に9−8と逆転
6回裏、ナショナルズはブルワーズのリリーバー、ドリュー・ポメランツを攻め、カート・スズキとビクター・ロブレスのBack to Backダブルでまず1点(6−8)。
ハウィー・ケンドリックが四球で歩き、ランナー1・2塁となったところでトレイ・ターナーが3ランHRを放ち、ナショナルズがついに9−8と逆転に成功。
さらに7回裏にはハウィー・ケンドリックに2ランHRが飛び出し、11-8とブルワーズに3点差をつけて9回に入りました。
ナッツ、S・ドゥーリトルで逃げ切り失敗
ネバーギブアップの1度目です。
点差は3点。しかもクローザーのショーン・ドゥーリトルですので、ナショナルズとしては「これで逃げ切った」と思ったと思いますが、ショーン・ドゥーリトルが大誤算でした。
最終回に3被弾
ショーン・ドゥーリトルは先頭のクリスチャン・イェリッチにLFにうまく運ばれてこれがソロショットなりまず1点を献上(11-9)。
つづくヒウラにダブルを打たれ、何やらおかしい雰囲気に。
そしてマイク・ムスターカスに2ランHR、さらにライアン・ブラウンにもこの日2本目となるHRを浴び、まさかの3被弾で11−12と逆転されてしまいます。
ショーン・ドゥーリトルは8月に入り、8ゲーム、7.0イニングで10失点。8月のERAは12.86となり、ちょっと悩ましい日々が続いています。
1点差とは言え、ブルワーズは逆転しましたので、これでジョシュ・ヘイダーでクローズ!と思われたのですが、やはりそうは行きませんでした。
クルーもジョシュ・ヘイダーで逃げ切り失敗
ネバーギブアップの2度め。今度はナッツの番です。
ジョシュ・ヘイダーは先頭のヤン・ゴームズに四球。これが痛かったです。そしてカート・スズキにダブルを打たれ、ノーアウトランナー2・3塁のピンチ。
そしてつづくビクター・ロブレスにはライト前ヒットを打たれ、1点を守りきれず、12−12の同点に追いつかれてしまいます。
この時、たしかにそんなに深いところでなかったのは確かですが、セカンドランナーのカート・スズキをコーチャーは止めました。結果的には微妙なところにノーバウンドのボールが返ってきたのですが、ノーアウトだったので回してもロブレスがいたのでギャンブルすべきだったのでは?と思います。そう言えば、スズキは捕手病の膝をやっているので足が遅かったですね。
その後、ヘイダーは怒ったかの如く三者連続三振。失点はしたもののサヨナラの二次災害を防いだのはさすがでした。
その後、ナショナルズは11回裏に2アウトからハウィー・ケンドリックがダブルを放ち、サヨナラのチャンスを迎えたのですが、ジェレミー・ジェフレスがトレイ・ターナーを抑え、無得点。
13回表、イェリッチに41号!
ネバーギブアップの3度め。今度はクルーの番です。1アウト後、クリスチャン・イェリッチがこの日2本目となる41号HRを右中間に放ち、ブルワーズが13−12と勝ち越しに成功。
今度こそ、ジェフレスで逃げ切り!と行きたいところでしたが、またしても反撃が。
13回裏、ロブレスの犠牲フライでナッツが同点
ネバーギブアップの4度め。またしてもナッツの番です。
ジェフレスで逃げ切りたかったブルワーズですが、13回裏の先頭打者、アズドルバル・カブレラに四球を与え、いやな雰囲気に。
1アウト後、カート・スズキにシングルを許し、1・3塁となったところでブルワーズはジュニオール・ゲラにスイッチ。
しかし、代わりばなビクター・ロブレスにLFに大きな犠牲フライを打たれ、ナッツはまたしても同点に。スコアは13−13。
14回表、テームズが決める
ネバーギブアップの5度め。またしてもクルーの番です。ナショナルズのマウンドはハビー・ゲラ。
ハビー・ゲラはDFA後復帰
ゲラは一旦、7月31日にDFAでウェーバーでのクレームもなかったため、FAではなくマイナーへアウトライトとなっていました。ところがチーム事情で8月4日に再びナッツのマウンドに。DFA後、復帰してくるパターンですね。
ゲラは先頭のライアン・ブラウンに四球。これは痛かったですね。
そして、つづくエリック・テームズに右中間スタンドに刺さる2ランHRを浴び、ついに15-13とリードを2点差に広げられてしまいます。
ブルワーズにとってはようやくの逃げ切り機会となりました。
14回裏、ナッツは弾切れ
15-13で迎えた14回裏。ブルワーズのマウンドは引き続き、ジュニオール・ゲラ。
ゲラは1アウト後、アダム・イートンにダブルを許し、またしてもまずい流れに。
つづくアンソニー・レンドンをLFフライに打ち取り2アウトまでこぎつけます。
ヒウラ、やってしまう
つづくバッターのフアン・ソトはシフトを敷いている1・2塁間に転がるゴロを放ちます。深い位置にいたヒウラは1塁へ速いボールで送球しますが、これが悪送球に。2塁ランナーが還り、ナショナルズは15−14の1点差に迫ります。
ナショナルズ、打者がいなくなる
しかし、これで勝負ありでした。
この日のナショナルズのアクティブロスターの野手は捕手も含めて12人。
スタメンでなかったブライアン・ドジャー、へラルド・パーラらの野手は投手打席時の代打で全て使い切っており、野手がだれもいない状況。
これを逃さなかったブルワーズベンチはさすがですね。
つづくアズドルバル・カブレラを敬遠四球。次はピッチャーのハビー・ゲラの打席。弾切れとなったナショナルズは今季2安打を放っているジョー・ロスを打席に送りますが、もはやこれまで。
ジョー・ロスが三振に倒れゲームセット。
最後は何かあっけない幕切れになりましたが、15−14でブルワーズが壮絶なゲームをものにしました。
イェリッチ、ブラウンが大活躍
このゲームはクリスチャン・イェリッチとライアン・ブラウンが大活躍しました。
- クリスチャン・イェリッチ: 5-6, 2 HR, 4 RBI, 3 Runs, 1 SB
- ライアン・ブラウン: 3-6, 2 HR, 2 RBI, 3 R, 1 SB
イェリッチはこの日に2本のHRと1盗塁で41HR、24盗塁となりました。
すごいゲームでした。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント
性懲りもなく?続けて飛翔戦やってますねww
irolyn様
コメントありがとうございます。
そうですね。またやってましたね。
ポストシーズンの試合のようでなかなか面白かったです^_^