ジャイアンツ、いつの間にか勝率5割へ
もう完全に売りに出るだろうと思われていたジャイアンツ。
2019シーズン開始前のオフの移籍市場でもまるで活気がなく、目立った補強はシーズンに入ってからの4月2日にケビン・ピラーをトレードで獲得した程度。
シーズン開始当初もライバルのドジャース戦だけは頑張ってはいたものの、ナ・リーグ中地区の最下位をひた走っていました。
ところがです。
7月、快進撃の13勝2敗!
ジャイアンツファンでないとトレース出来てなかったのではないかと思われるくらいに7月に大躍進。
7月の勝敗は現地2019年7月19日時点で13勝2敗です。
シーズン開始当初、負け越してがつづいていたものの、負け越しの数が片手でおさまる程度で抑えていたところに実力が隠れていたのかもしれません。6月にはついに勝ち越し。そして7月は一気に借金をチャラにして勝率5割に戻してきました。
【ジャイアンツ2019月別勝敗】
- 3月:1勝3敗
- 4月:11勝15敗
- 5月:10勝16敗
- 6月:14勝13敗
- 7月:13勝2敗(現地2019年7月19日時点)
メッツと2日続けて死闘
現地2019年7月18日から始まった地元サンフランシスコでのメッツ3連戦。
そのGame1では延長16回にも及ぶ死闘に。しかも投手戦ゆえ非常に締まったマラソンゲームでした。
バンガーナーが9回まで投げきる
ジャイアンツ先発がこの7月のトレードデッドラインで真っ先に名前の上がっているマディソン・バンガーナー。一方のメッツ先発はこちらもトレードの噂の絶えないノア・シンダーガード。
非常に見応えのある顔合わせだったのですが、両投手がナイスゲームメイクしました。バンガーナーは9回を投げ、被安打5、失点1、奪三振6。ノア・シンダーガードは7回を投げ、被安打6、失点1、奪三振8。
ピート・アロンソが32号
得点ですが、メッツが初回にいきなりの2連打でランナーを三塁に置いたところで、ピート・アロンソがダブルプレー。その間に3塁ランナーが還り、メッツが1点を先制。
一方のジャイアンツも4回にサンドバル、ブランドン・クロフォード、マイク・ヤストレムスキーの3本のシングルで満塁のチャンスを作ったあと、ケビン・ピラーの犠牲フライで同点に。
その後、両チームともにランナーは出すものの一本が出ず、膠着した状態が続いていました。そんな時に怖いの一発。
延長16回表、メッツの先頭はピート・アロンソ。2ストライクと追い込まれながら、チェンジアップをうまくすくい、これが勝ち越しとなるソロHRとなり、ついにメッツが2−1とリード。ピート・アロンソは32号HRです。
ジャイアンツが逆転
1点を勝ち越されたジャイアンツでしたが、ここはゲームが動いて相手に1点が入れば、味方も得点するという法則が生きました。
ジャイアンツは先頭のアレックス・ディッカーソンのダブルでチャンスメイク。つづくブランドン・クロフォードが連続二塁打を放ち、2−2の同点に。
オースティン・スレーターが死球で出たあと、ケビン・ピラーのシングルで満塁に。最後はドノバン・ソラーノがシングルを放ち、3−2でサヨナラ勝利を納めました。
クロフォード好プレー集
なお、上のリキャップのVTRはクロフォードの好プレー集とも言えるほどSSにゴロがたくさん転がり、しかも美しくさばいています。必見です。
28才ルーキーのヤストレムスキーが活躍
ヤストレムスキー(Mike Yastrzemski)、頑張ってます。正直、夏までもつかな?と思っていたのですが、ジャイアンツのレギュラーとして頑張ってます。打率.260、HR7。
Game2は1−0勝利!
そして2019年7月19日行われたGame2では、ジャイアンツ先発のタイラー・ビード(Tyler Beede )が8回、3ヒッター、無失点と好投。
メッツ先発はジェイコブ・デグロムで、彼も7回3ヒッター、無失点、10奪三振と好投。
2人で締まったゲームを演出しました。
パンダの打ち損じのポップフライが決勝点に
締まったゲームに風穴を空ける方法は一つは前日のようにHRという手段がありますが、もう1つはエラー。エラーの場合、風穴が空いてしまうと言った方がいい事象ですが、Game2は後者がでました。
10回裏、ジャイアンツは先頭のアレックス・ディッカーソンが四球で出塁するも、後続が続かず2アウトに。
打席にパブロ・サンドバル。サンドバルは3球目に手を出し、これがポップフライに。しかし、このフライが災いして、1塁ランナーがスタート。
また打球もLFとSSの真ん中に飛ぶというラッキーな要素も加わり、なんとここでメッツのLF、ドミニク・スミスがエラー。ホームに送球するも間に合わず、ジャイアンツがサヨナラ。
これは避けたいエラーでしたね。
ジャイアンツ、なにかツキまで味方にしています。
この勝利で7連勝。ついに49勝49敗の勝率5割に戻したのでした。
ジャイアンツ、バンガーナーを引っ込める可能性
勝率を5割としたジャイアンツ。現地2019年7月19日時点でナ・リーグ西地区は首位がもちろんドジャースで65勝35敗、2位はダイヤモンドバックスで50勝48敗、そして3位にジャイアンツ。
ワイルドカード争いもご覧の通り。
【現地2019年7月19日時点のWCレース】
- ナショナルズ: 51勝45敗
- カージナルス:50勝46敗
- フィリーズ:51勝47敗
- ブルワーズ:51勝48敗
- Dバックス:50勝48敗
- ジャイアンツ:49勝49敗
7連勝後なので、その反動もあるのでこの勢いのまま計算することはできませんが、しかしもうワイルドカードが見えている状況。連勝と連敗が重なれば、スポット1位に2-3試合で入ってくる状況です。
この状況で果たして本当に売りでいいのか?
ジョン・ヘイマンさんがツイートしています。
Game1でバンガーナーのトレード市場での価値はうんと高まったけれども、ジャイアンツはバンガーナーを引っ込めるかもしれない、つまりトレードに出さないかもしれないと書いています。
バンガーナー自身もジャイアンツが好きな選手なので、この流れは絶妙な状況をつくっています。
トレード市場にはオールスターにも出たブルペンのウィル・スミスの名前も上がっているのですが、彼を出すようなことがあるとシーズンは戦えなくなります。もちろん、バンガーナーがいなくなってもそうです。
元LADのザイドGMがどうするのか。商売人ならこの状況で高く売る、つまり非常によいプロスペクトを獲ることを考えるでしょうが、果たしてそんなクラブが出てくるのか。
筆者はトレード相手次第では出すと思っていますが、よほどのインパクトのある相手だけでしょう。
そういう交渉がまとまるかどうか。
ちょっと余談を許さなくなってきました。
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