ついに決定!マチャードはパドレスへ
現地2019年2月19日、マニー・マチャードがようやく決まりました!
日本時間の夜中2時過ぎだったと思いますが、ジェフ・パッサンさんの衝撃的なツイートが流れてきました。ESPNと契約を結んでおられるライターの方ですが、「マチャードがパドレスへ」と。
10年300Mドルのメガ・ディール!
10年$300Mのラインを頑なにこだわっていたマニー・マチャード(Manny Machado)は、スプリング・トレーニングのゲームが始まろうかというこの時期に入っても決定的なオファーがなく、非常に苦戦しておりました。
有力記者から伝わってくる情報においてもマチャードと会したパドレス、ホワイトソックスはそのラインより低いという情報ばかり。
よって、「こりゃ、ハーパーの方が早いな」と読んでいた方も多いのではないかと思います。かくいう筆者もその一人です。
財布の紐をゆるませているフィリーズならハーパーが納得する金額を提示する可能性があったからです。しかし、結果は逆でマチャードの方が先に決まりました。
金額の詳細
現地2019年2月19日の段階では金額の詳細はわかっておりません。
10年0M、5年終了後のオプトアウトは願ったり叶ったり
今のところわかっているのはこの情報だけです。
オプトアウトとは長期契約で囲われた(言い方が雑ですが)選手側に途中解除という選択権があること。極マレに超一流のみが勝ち取る契約です。
オプトアウトは選手にその選択権があり、つまりはこの場合5年が終了してマチャードがパドレスに残るかどうか決めるというもの。
ということはマチャードは10年$300M(3億ドル=300億円以上)が保証された上に、5年終了時点でどうしたいのか、自分で最良の道を選べるということです。
こう書くとプレーヤーオプションみたいな考え方になってしまいますが、いずれにせよ、10年は確定していると行っていいと思います。
まったく、マチャードにとっては良いことしかない契約になっています。
バイアウトが入るかどうか
となると、パドレスにとって今回のディールはマチャードという戦力獲得以外にどんなメリットがあるのか、それはバイアウトが入るかどうかも大きく違ってきます。
今のところ、年平均で$30Mということしかわかっておりません。
5年後、また東海岸目当てか
今回、パドレスが大金でのオファーを試みたのは、5年後に東海岸のクラブに買い取ってもらえるのではないか、ジャンカルロ・スタントンのNYYやトロイ・トゥロウィツキーのTORのパターンを目当てに、$30Mを5年という肚をくくって大胆な決断を下したのではないか?とも思っております。
もう少し情報が集まってからあらためて追記したいと思います。
歴代ビッグ・ディール
2018年2月末、レッドソックスはJ.D. マルチネスと5年1億1,000万ドルで合意しました。当時は結構高いなという感想を持ったのですが、今回のマチャードのディールから考えると、J.D.がもらったオファーは安いですね!しかも2018年は大活躍して、その価値は十二分に証明済み。
今回のマチャードのディールはアメリカンスポーツ史上最大規模と言われております。とりあえず、MLB史の中でのメガ・ディールをまとめてみました。
アレックス・ロドリゲス & TEX:10年$252M (2000年12月)
ざっと年間$25Mを10年というのは結構、衝撃的なディールでした。
アレックス・ロドリゲス & NYY: 10年 5M (2007年12月)
A・ロッドは2004年2月にトレードでヤンキースに入団。FAとなったのが2007年10月で、2ヶ月後の12月に結んだのがこの契約です。
しかし、その6年後の2013年1月、ふって湧いたように出てきたのがマイアミのPeds問題。マイアミのお医者さんが選手に頼まれてこっそりPedsを注射していたと告白した問題です。
クライアントにA・ロッドの名前があったことから大騒動に発展し、A・ロッドは2014シーズンをまるまるサスペンションとなり、ここから引退を早めたというような結果となりました。本人はPeds使用を否定はしておりました。
当時、さらに問題となったのは働くことのできないAロッドに2014年のサラリーを払うのか?という問題。結論から言うとヤンキースはA・ロッドに払いました。
A・ロッドには罰金が$22,131,147(ざっと23億円)ほどが課せられ、2014年のサラリーである$25Mのうちから、これを支払いに充てました。
田中投手とも関連
ヤンキースは大損を被りながらも、A・ロッド分はサラリーではなく、罰金なので贅沢税に入れてくれるなとリクエスト。これが通り、ヤンキースは2014年の贅沢税の基準額$189Mを下回ることが出来、枠内でのその余裕でもって、田中投手と7年$155Mの契約を結んだのでした。
ジャンカルロ & MIA: 13年$325M(2014年11月)
今オフ、マチャードとハーパーが基準にしたのがこのクレージーな契約です。期間と金額に差はあるものの、10年$300Mは年あたり$30Mになり、これを超えるという主張です。
アベレージ・サラリーは$25M、NYYが2017年12月に引き継ぎ。2019年のサラリーは$26M。
ロッキーズのトゥロの10年$157.75(2010年11月)もクレージーな契約でしたが、それをゆうに超えるクレイジーさ。
A・プホルズ & LAA、R・カノー&SEA : 10年$240M
プホルズは2012年から2021年までの期間。カノーは2014年から2023年までの期間です。
D・プライス & BOS: 7年7M
2016年から2022年までの契約。年平均は$30M 。
P・フィルダー & DET: 9年 4M
2012年から2020年まで。プリンス・フィルダーは2013年11月にレンジャーズへトレード。
しかし、2016年8月、首の怪我で現役を引退。レンジャーズは2020年まで毎年$9Mずつ払っていきます。
マックス・シャーザー & WSH: 7年$210M
2015年から2021年までの契約。年当り$30M。契約後、2年連続サイ・ヤング賞受賞(2016年と2017年)。
ザック・グレインキ & Dバックス:6年$206.5M
2016年から2021年までの契約。2015年12月に合意しました。年平均は$34.4M。
2015シーズン、ザックは19勝3敗、1.66ERAというとんでもない成績を上げていたので、余計にいい契約となりました。ザックは移籍後も13勝、17勝、15勝とその価値を証明しております。
ジェイソン・ヘイワード & CHC: 8年4M
2016年から2023年までの契約。年平均で$23M。 正直、カブスはこれが重たくなってきています。
エリック・ホズマー & SDP: 8年4M
2018年2月に合意した契約。年平均で$18M。
いずれも実払いの金額ではなく、年平均に直した金額です。
CWSが敗れる!
まだまだお金の話で恐縮ですが、2月上旬時点でのマチャードへのオファーはこのような状態でした。
- ホワイトソックス: 8年 $175M-$250Mの間
- ヤンキース: 7-8年 $220M
- フィリーズ: ?
- パドレス: ?
マチャードは本当はヤンキース行きたいという情報があるものの、ホワイトソックスが有利か?!などと考えておりました。
CWS、 0Mでオファー
ローゼンタールさんによると、CWSはSDPよりも高いオファーを出していたようです。その金額$350M。
ただし、これはベスティングオプションやら、インセンティブやらすべての金額を合計した最大値です。
しかし、マチャードはとにかく$300Mのギャランティー(保証=確約)が欲しかったということで今回、パドレスとディール成立です。
なお、まだファイナライズではない
ヘイマンさんによると、まだファイナライズではないようです。年俸の支払いがフラットになるのかとか、トレード条項をどうするかなどを詰めている最中です。
なお、金額は合意なので、10年$300Mの線はまず間違いないようです。
マニー・マチャードとは
マニー・マチャードは1992年7月6日生まれの26才。2010年オリオールズ1巡目、全体3位で指名されております。
2012年、19才でメジャーデビューし、その後は打撃に守備に活躍。オールスター4度、ゴールドグラブ賞2度受賞。
2013年に打数と二塁打数で1位(AL)、30HR以上を4シーズン(2015−18)、100RBIを1シーズン(2018)達成しております。
パドレスの左側は強い!
今回のマチャード加入によりパドレスは三遊間が非常に強くなりました。
(SDP 予想オーダー:2019)
- ルイス・ウリアス/ イアン・キンスラー, 2B
- フェルナンド・タティス Jr. , SS
- エリック・ホズマー, 1B
- マニー・マチャード, 3B
- ウィル・メイヤーズ(Wil Myers), LF
- ハンター・レンフロー/フランミル・レイエス, RF
- ミゲル・マーゴット/フランチー・コルデロ, CF
- オースティン・ヘッジス/フランシスコ・メヒア, C
上とは若干違いますが、こちらのリストもご参照ください。
大型ディールでない方がよかった
これはあくまで筆者の考えですが、ハーパーもそうですが大型ディールでない方がよいと思います。
不運がつづく
なぜなら、大型ディールを結んだ選手ほど大怪我や不運に見舞われる傾向にあるからです。
上記のA・ロッドしかり、トゥロしかりです。
ジャンカルロ・スタントンは顔面にデッドボールが当たったことがありますが、今のところ長期休みはありません。これは本人の節制の良さもあると思います。
本人が自らに要らぬプレッシャーを与えてしまうこともあるでしょうし、妙に注目集めることは、妬み、怨みなどを買いやすいのも一つだと思います。
案外、男の嫉妬ほどきついものはないですからね。
感情のコントロールを
これから感情をむき出しにしたプレーは出来ませんね。大金をもらって好きなように振る舞ってしまっては、誰も援護しないでしょう。
2018年のポストシーズンでの1塁手へのスパイクは記憶に新しいところですが、かつてはこのようなプレーも。これからはカッとしたのを抑えられるかどうか。
感情を出していいのは笑顔だけ!とにかくスポーツマンらしいプレーを見せてもらいたいと思います。
しかし、J.D.マルチネスなどは絶妙なラインで契約したなと思います。損してるとか、サラリー安いなと思われるくらいの方が応援もされます。
あくまでも持論です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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