フィリーズ、クローザーを獲得
現地2019年1月3日、フィリーズがクローザーとのディールを決めました。
ヤンキースからFAとなっていたデービッド・ロバートソン(David Robertson)と2年2,300万ドルで合意です。
契約内容を見てみたいと思います。
合意内容
2年の内訳
2,300万ドルの内訳です。年俸2,300万ドル X 2年ではありませんので、念の為。
- 2019年: $10M
- 2020年: $11M
- 2021年 (3年め)
- クラブオプション実行の場合:$12M
- バイアウト: $2M
2019年と2020年の金額を合わせて2,100万ドル、2年終了後に翌年の更新をどうするかをクラブ側が決めるクラブオプションで仮にフィリーズが更新しないと判断した場合、バイアウト(違約金)の200万ドルがロバートソンの手元に渡ります。よって合計2,300万ドルという表現になります。
ボーナスの内容がGood!
合意内容の詳細を見てみると、ベテランの契約らしいクスッとくる要素が入っております。
何年か前、バートロ・コロンがメッツと契約した際に、シルバースラッガー賞でボーナスという要素を入れていたのを思い出しました。
- ASG出場、GG、LCS/MVP、シルバースラッガー賞受賞で:$0.5M
- WS MVP:$1.0M
- サイヤング賞(得票順位)
- 1位:$1.0M
- 2位:$0.5M
- 3位: $0.25M
ナ・リーグなのにシルバースラッガー賞というのがいいですね。
サイヤング賞はリリーバーでの獲得は非常に難しいと言わざるを得ないので、「もっとリリーバーを評価してくれよ」という案外隠れたメッセージが込められているのかもしれませんね。
デービッド・ロバートソンのキャリア
デービッド・ロバートソンは2019年4月9日で34才になる右腕。ドラフトは2006年ヤンキースの17巡目です。
デビューは2008年6月28日。23才の時です。キャリアの大半をヤンキースで過ごしております。
【経験したクラブ】
- 2008-2014: ヤンキース
- 2015-2017年7月18日: ホワイトソックス
- 2017年7月19日-2018: ヤンキース
キャリア11年で654試合、657イニングに登板し、53勝32敗、137セーブ、ERA 2.88。
年間を通じた最も低いERAは2011年の70試合、1.08。もはや金字塔レベルの数字です。
2011年はオールスターにも出場、サイ・ヤング賞の得票で11位、MVPの得票で22位を獲得。
30セーブ以上のシーズンが3度(2014-2016)、ワールドシリーズ優勝(2009)。
マリアーノ・リベラの後継
マリアーノ・リベラは長年ヤンキースのクローザーを務め、952試合のゲームを締め、そのうち652セーブを上げ、2013年43才の時に引退。引退のシーズンでも64試合に登板し、44セーブを上げたバケモノです。
引退前年の2012年5月にウォームアップ際の外野ノックでヒザの靭帯を損傷してそのままシーズンエンド。
開幕して1ヶ月でクローザーがいなくなるという緊急事態にヤンキースはどうするのか、注目が集まりました。
ラファエル・ソリアーノが2012年のクローザーに
ヤンキースは当時27才のローバートソンにその役割を担わせるのではないか?と見る向きもあったのですが、結局その年はラファエル・ソリアーノ(Rafael Soriano)に任せました。ソリアーノは54試合のゲームエンディング、42セーブを上げて見事大役をこなしました。
ラファエル・ソリアーノはそのオフにFA。引き止めないのがいかにも帝国らしいところではあります(帝国でなくともその辺はシビアかもしれません)。
2013−14年にナショナルズ、2015年にカブスに移籍。2016年3月に引退を表明しました。
2014年リベラの後継としてNYYクローザーに
ロバートソンは2014年に正式にリベラの後継としてヤンキースのクローザーを任されました。
この年63試合に登板、55試合のゲームを締め、39セーブ。
2014年オフにFA
その後、ロバートソンは2014年オフにFA。ホワイトソックスと契約し、クローザーとして2015年に34セーブ、2016年に37セーブを上げております。
2017年トレードデッドラインで再びNYYへ
しかし、2017年7月のトレードデッドラインでトッド・フレイジャーとともに再びヤンキースへ。その後はセットアップを任されておりました。
持ち味はまともな球筋がないこと
デービッド・ロバートソンの球種は、スライダー、カーブ、カット、シンカー。きれいなバックスピンのかかった4シームは一切ありません。
特にマリアーノ・リベラ仕込みのカットボールはやっかいです。これを軸に割とカーブも多めに投じます。
そしてラファエル・ソリアーノからたぶん教わったであろうシンカーもかなり有効です。
シンカーが95mph前後、カットが93mph前後、カーブが83−84mphほどの球速帯です。
キャリア通算ですが、右打者相手の打率が.188に対し、左打者には.176と左打者をよく抑えています。カットボールを投げる投手はこのような数字が出てくるんですね。
KCR・OAKとの相性が悪い
なお、2018年はナショナルズに対して打者7人、パーフェクトに抑えておりました。得意としていたクラブに移籍しましたね。リーグが違うので関係ありません。
ERAが悪かったクラブはロイヤルズ が11.25、アスレチックス が13.50。こちらもリーグが変わるのであまり関係ないですね。
PHIでは今のところ連投防止のダブル起用
今のところ、フィリーズのプランとしては、セランソニー・ドミンゲス(Seranthony Dominguez)と日にちをずらしてクローザーとして起用するプランのようです。
セランソニー・ドミンゲスは2018シーズンに53試合に登板、24ゲームエンディング、16セーブを上げたフィリーズのクローザーです。
おそらくですが、ロバートソンが8回でセットアップをし、ドミンゲスが9回を締めるという役割になるのではないか?と思っております。
PHIはピッチャー獲得終了
左腕のローテーションが欲しいフィリーズではありますが、今オフの投手獲得はどうやらこの辺で手仕舞いにしそうです。
ザック・ブリットンを狙ってはいたのですが、後ろを任せられるロバートソンを獲得したのでブリットンはそのままヤンキースが再契約するのではないかと思います。
フィリーズはあとはマチャードとハーパーの件ですね。これに集中していきそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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