J・ライター、E・ハンコックも登板!
現地2022年7月16日、オールスター・ウィークのイベントの1つで、トップ・プロスペクト達のオールスターとも言える2022フューチャー・ゲームが開催されました。イベント名の正式な表記は”the SiriusXM All-Star Futures Game”です。
今季はまた斬新なユニフォームで後年、デザインを見ただけで「あ、2022年だな!」とわかる代物でした。ナショナルリーグが、昔フロリダ・マーリンズが採用していたようなブルーとグリーンが混じったような色合いのライトブルーを着用。アメリカン・リーグが明るいオレンジが入ったジャージを着用しておりました。
フューチャー・ゲームの特徴
フューチャー・ゲームは1999年にフェンウェイでオールスターが開催された時から行われており、かつては、ワールド vs USAという方式を採ったこともありましたが、2019年のフューチャー・ゲームから以下の変更点が出ました。
- 対戦がア・リーグ vs ナ・リーグに(それまではUSA vs World)
- イニング短縮=7回で終了(それまでは普通に9回)
トップ・プロスペクト達のオールスターがみたいという要望が生まれるのも自然な流れですね。
2022 ロスター
まず、どのような選手が選ばれていたのか、ロスターを記載しておきます。クラブの3コードのアルファベット順に並べてみました。名前の右のランキングは、現地2022年7月16日時点でのクラブ内ランキング及びMLB トップ・プロスペクト100のランキングです。Pre-2022とはリストとは変更がありますし、今後もこのリストは変動しますので、現時点でのランクです。
ARI | OF コービン・キャロル(Corbin Carroll) :No. 1/MLB No. 3 SS ジョーダン・ロウラー(Jordan Lawlar) :No. 2/MLB No. 12 |
ATL | LHP ジャレッド・シュスター(Jared Shuster):No. 8/ MLB No.- |
BAL | SS/3B ガナー・ヘンダーソン(Gunnar Henderson): No. 2/ MLB No. 5 |
BOS | OF/3B/SS セダンヌ・ラファエラ(Ceddanne Rafaela): No. 26/ MLB No. – |
CHC | OF ピート・クロウ=アームストロング(Pete Crow-Armstrong) :No. 3/ MLB No. 79 |
CIN | 3B/SS エリー・デラ・クルズ (Elly De La Cruz) :No. 2/MLB No. 50 LHP アンドリュー・アボット(Andrew Abbott): No. 12/ MLB No.- |
CLE | OF ジョージ・バレラ(George Valera) : No. 2/MLB No. 33 3B/1B ジョンケンシー・ノエル(Jhonkensy Noel): No. 13/ MLB No.- |
COL | OF ザック・ヴィーン(Zac Veen) : No. 1/ MLB No. 23 |
CWS | OF オスカー・カルロス(Oscar Colas): No. 2/ MLB No.- |
DET | C ディロン・ディングラー(Dillon Dingler): No. 3/ MLB No.- RHP ウィルマー・フローレス(Wilmer Flores) : No. 14/ MLB No.- |
HOU | RHP ハンター・ブラウン(Hunter Brown): No. 1/ MLB No. 85 C/1B ヤイナー・ディアス (Yainer Diaz): No. 14/ MLB No.- |
KCR | RHP アレク・マーシュ(Alec Marsh): No. 10/ MLB No.- |
LAA | LHP カイ・ブッシュ(Ky Bush): No. 4/ MLB No. – |
LAD | C ディエゴ・カルタヤ (Diego Cartaya): No. 1/ MLB No. 14 RHP ボビー・ミラー(Bobby Miller): No. 2/ MLB No. 27 3B/2B/1B ミゲル・バルガス(Miguel Vargas) : No. 5/ MLB No. 72 |
MIA | RHP エウリー・ペレス(Eury Pérez): No. 1/ MLB No. 16 |
MIL | OF ジャクソン・チュリオ (Jackson Chourio): No. 1/ MLB No. 38 OF ジョーイ・ウィーマー (Joey Wiemer): No. 3/ MLB No. 62 LHP アントワン・ケリー(Antoine Kelly): No. 14/ MLB No. – |
MIN | 2B/3B スペンサー・スティア(Spencer Steer) : No. 7/ MLB No. – OF マット・ウォルナー(Matt Wallner): No. 8/ MLB No.- |
NYM | C フランシスコ・アルバレス(Francisco Álvarez): No. 1/ MLB No. 2 1B マーク・ヴィエントス(Mark Vientos): No. 5/ MLB No.- |
NYY | SS アンソニー・ヴォルビー(Anthony Volpe) : No. 1/ MLB No. 8 OF ジェイソン・ドミンゲス(Jasson Dominguez): No. 3/ MLB No. 40 LHP ケン・ウォルディチャック(Ken Waldichuk): No. 5/ MLB No. 74 |
OAK | C シェイ・ランゲリアーズ(Shea Langeliers): No. 1/MLB No. 32 OF デンゼル・クラーク(Denzel Clarke): No. 14/ MLB No.- |
PHI | C オーガン・オハピ(Logan O’Hoppe): No. 3/ MLB No. 90 LHP エリック・ミラー(Erik Miller): No. 10/ MLB No.- |
PIT | RHP マイク・バローズ(Mike Burrows): No. 10/ MLB No.- |
SDP | OF ロバート・ハッセル3世 (Robert Hassell III): No. 1/ MLB No. 24 |
SEA | RHP エマーソン・ハンコック(Emerson Hancock): No. 5/ MLB No.- |
SFG | LHP カイル・ハリソン(Kyle Harrison) : No. 2/ MLB No. 26 |
STL | 3B ジョーダン・ウォーカー(Jordan Walker): No. 1/MLB No. 7 SS マシン・ウィン(Masyn Winn): No. 4/ MLB No. 91 |
TBR | RHP タージ・ブラッドリー(Taj Bradley) : No. 2/ MLB No. 34 3B/1B カーティス・ミード(Curtis Mead): No. 3/ MLB No. 61 |
TEX | RHP ジャック・ライター(Jack Leiter): No. 1/ MLB No. 17 1B/3B/OF ダスティン・ハリス(Dustin Harris): No. 7/ MLB No.- |
TOR | LHP リッキー・ティーデマン(Ricky Tiedemann): No. 3/ MLB No. 64 RHP ヨズバー・ズルエタ(Yosver Zulueta): No. 19/ MLB No.- |
WSH | 2B ダレン・ベイカー(Darren Baker) : No. -/ MLB No. – LHP ホゼ・A・フェレール(Jose A. Ferrer): No. -/ MLB No. – |
注目はジャック・ライター、エマーソン・ハンコックというところでしたが、おもしろいのは、ウィルマー・フローレスという現ジャイアンツの2Bと同姓同名がおりますね。
なお、ジャック・ライターとアンソニー・ヴォルビーはハイスクールのチームメイトだったそうです。
出場見送りとなった選手
以下の選手達は、怪我あるいは現地2022年7月16日まで公式戦が開催されているメジャーのろスターに入ってイル関係から辞退となりました。
- BOS: RHP ブライアン・ベイヨー(Brayan Bello): No. 3/ MLB No. 45
- COL: SS エジキエル・トーヴァー(Ezequiel Tovar): No. 2/ MLB No. 58)
- PIT: C ヘンリー・デービス(Henry Davis): No. 1/ MLB No. 18
- KC: 1B ニック・プラト(Nick Pratto): No. 2/ MLB No. 71
- SF: 3B デービッド・ビヤー(David Villar):No. -/ MLB No. –
- WSH: RHP ケイド・キャヴァリ(Cade Cavalli) : No. 1/ MLB No. 47
MVPはシェイ・ランゲリアーズ
ゲームの方は6-4のスコアでALが勝利しました。この日、ALでは3本のHRが出ました。3回にヤンキースのジェイソン・ドミンゲス、同じく3回にツインズのマット・ウォルナー、そして4回にアスレチックスのシェイ・ランゲリアーズ。
このうち、ジェイソン・ドミンゲスはCFフライを落球したミスがありました。そしてシェイ・ランゲリアーズは盗塁を阻止したこともあり、ウォルナーよりも確かに目立ちました。投手もパーフェクト投球がありましたが、インパクトしてはランゲリアーズだったかと思います。
ランゲリアーズはM・オルソンとのトレードでA’sへ
聞き覚えのある名前かもしれません。シェイ・ランゲリアーズはマット・オルソンとのトレードでアスレチックスへ移籍した有望捕手です。
Future Game MVP since 2012
1999年はNYYのアルフォンソ・ソリアーノがMVPを獲得。2002年にはメッツのホセ・レイエス、2003年は当時インディアンスのグレイディー・サイズモアが、2006年はロイヤルズのビリー・バトラーなどが獲得していることからわかるように、今後のMLBを大きく刺激する選手達がMVPに選ばれております。以下は10年前の2012年からのMVPの面々です。
Year | MVP | Pos. | Club | Team | Score | Stadium |
---|---|---|---|---|---|---|
2012 | ニック・カステヤーノス | DH | DET | U.S. | 1–5 | カウフマン・S |
2013 | マット・デービッドソン | 3B | ARI | U.S. | 4–2 | シティ・F |
2014 | ジョーイ・ギャロ | 3B | TEX | U.S. | 3–2 | ターゲット・F |
2015 | カイル・シュワーバー | C | CHC | U.S. | 10 –1 | グレート・アメリカン・BP |
2016 | ヨアン・モンカダ | 3B | BOS | World | 11–3 | ペトコ・P |
2017 | ブレント・ハニーウェル・Jr. | RHP | TBR | U.S. | 7–6 | マーリンズ・P |
2018 | テイラー・トランメル | OF | CIN | U.S. | 10–6 | ナショナルズ・P |
2019 | サム・ハフ(Sam Huff) | 1B | TEX | Tie | 2–2 | プログレッシブ・F |
2020 | Cancelled (COVID-19 Pandemic) | N/A | N/A | N/A | N/A | ドジャー・S |
2021 | ブレネン・デービス | CF | CHC | N.L. | 8–3 | クアーズ・F |
2022 | シェイ・ランゲリアズ | C | OAK | A.L | 6-4 | ドジャー・S |
ジャック・ライター、力みすぎ
ひょっとしたら、今季の最終戦の近辺で出てくるかもしれないのがレンジャーズのジャック・ライター。体力的なことや若いうちから潰さないにとの配慮からレンジャーズは無理をさせません。それにポストシーズンもまだ消えていませんから。順調に行って2023年のデビューです。
非常に楽しみで躍動感が一人際立っているなと思いました。ただ、この日はもう張り切りすぎて、力みが目立ちましたね。成績としては1イニングをパーフェクトに抑えています。
エマーソン・ハンコックが三者三振
2020年のドラフトで最も注目していたのがエマーソン・ハンコック。マリナーズの指名となりました。ところが2021シーズンに肩を故障。よってPre-2022のトップ・プロスペクト・ランクから外れました。
2022年はダブルAでスタート。6試合、22.0IPでERA 2.45、WHIP 0.95と復調です。この日のぼーるを見ても復帰出来たと見て良さそうです。
マイアミのRHP エウリー・ペレスの伸びしろがすごい
筆者がいいなと思ったのが、マイアミの右腕、エウリー・ペレス。
ちょっと悔しいのが、カージナルスのSS、マシン・ウィンの100mph送球の方が目立ってしまったことです。マシン・ウィンは確かにいいSSでなのですが、あの場面であんな送球を投げる必要はありませんし、別のケースではスローイング・エラーをしています。大いに目立って結構。ただ、むしろあんな送球を投げない方が評価は上がったかもしれません。
What. A. Cannon.
— MLB Network (@MLBNetwork) July 17, 2022
Catch a replay of the 2022 @SIRIUSXM All-Star Futures Game, Sunday at 9am ET/6am PT on MLB Network 📺 pic.twitter.com/84Hq3GHiFn
話が逸れました。エウリー・ペレスはまだ19才。長身で6フィート8インチ、203.2 cmもあります。筆者が思ったのは長身という点でサンディー・アルカンタラ、ボールの質という点でパブロ・ロペスを彷彿とさせるものがあったことでした。
まだフィニッシュの時のキレに不足はありますが、それはこれから筋肉もつけばキレが増すでしょう。ポテンシャルは素晴らしいと思いました。
下記はシーズン中、2022年7月1日の投球です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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