モントリオールにMLBが戻ってくる
現地2019年6月20日のニュースです。
ア・リーグ東地区のタンパベイ・レイズがカナダ、モントリオールとフロリダのタンパの2つのフランチャイズを使用する許可をMLB機構から得ました。
セント・ピーターズバーグの市長はおかんむり
突然の2シティー・フランチャイズ・プランに驚いたのはファンばかりではありません。トロピカーナ・フィールドの地元、セント・ピーターズバーグの市長は「聞いてないよ」とばかりにかなりおかんむりです。
というのはレイズはイーバー・シティーでの新スタジアム建設が立ち消えとなり、2027年までトロピカーナのリース期限を延長していたからです。
いわゆるダブル・フランチャイズはほぼ初めての試みです。
過去には、2003年と2004年にモントリオール・エクスポスがプエルトリコのサンフアンで年間22試合をやったことがある程度。
いつから始まるのか?
2023年が最速でのスタート、2024年が現実的なスタートとして考えられています。
これから詳細は詰めていく
まだまだ決まっていないことが多く、タンパとモントリオールでそれぞれ何試合設定するのかなど、これから決めることは山積みです。
モントリオールがいい理由
ESPNのジェフ・パッサンさんの情報をまとめると、やはりタンパ地域での球場の用地獲得がネックである点が上げられています。
イーバー・シティーの件は、地権者が最後は市長にNOを突きつけました。便利さなどの集客を考えるとタンパ地域ではイーバー・シティーがベストだったのですが、それが立ち消えたことでレイズとしては行き詰まっていた感がありました。
タンパはヤンキースのテリトリー
これは筆者の考えなのですが、タンパ地域はそもそもヤンキースのテリトリーと言えます。
タンパ・ヤンキース(シングルAアドバンス)というマイナーのチームもありますし、スプリング・トレーニングで使っているGeorge M. Steinbrenner Fieldはタンパにあります。
この辺は長年、ヤンキースが長年使っていた地域でヤンキース・ファンが多いところ。
日ハムが北海道でファンを獲得したのとは事情が違ってきます。そもそも応援するチームがマイナーリーグではありますが、そこにあるわけですし、春になれば有名選手がわんさかいるわけですから、ここでファン獲得は当初から厳しかったと言えるでしょう。
その点、モントリオールは野球に飢えていますから、レイズとしては歓迎されそうです。
フィールドの王者もスタンドは閑散
レイズと言えば、涙ぐましい努力でア・リーグ東地区をのし上がってきたクラブ。
2019年4月11日時点での贅沢税算出のルールに則った選手の年俸総額はMLB28位の$88.8M。1位のレッドソックスが$236.7Mで2位のヤンキースが$226.7M。同地区にこれだけ強烈な2クラブがある中で、総額1/3で首位争いをする、ある意味フィールドの王者と言っても過言ではない知恵の結集したクラブ。
しかし、観客動員は下がり続けており、2019年の観客数は55万2,740人でMLBワースト2。1位はドジャースの189万2,132人(現地2019年6月20日時点)。
キャパの多い少ないもありますが、選手は満員のスタジアムで野球がやりたいと望んでいるのではないでしょうか?(推測)
モントリオールの位置
モントリオールでも試合をすることで観客動員が増えるかどうか、おそらく計算のもとで下した決断でしょう。その数字はわかりませんが、セントピーターズバーグよりは集客も地元での人気も見込めると踏んだのでしょう。
あらためてモントリオールの位置を確認したのですが、MLBクラブが結構密集している位置関係にあります。ボストンのあるマサチューセッツ州も近いです。
レイズが長期的にモントリオールに本格的に移るのかどうかは定かではありません。
1976年のモントリオール五輪の年にオープンしたスタジアムで古いですが、屋根付きですし、寒さの問題はクリアーできると思います。
新スタジアムを作るにしても協力的に進めてくれそうです。
モントリオール・エクスポスはいつまで?
現ブルージェイズのヴラディーミル・ゲレーロ・ジュニアのお父さんがいたモントリオール・エクスポスは1969年から2004年まで存続。ナ・リーグ東地区に入っていました。
その伝統は2005年からワシントン・ナショナルズが引き継いでいます。
1994年首位フィニッシュも・・・
エクスポスは1994年にナ・リーグ東地区1位という記録が残っています。クローザーにジョン・ウェッテランドがいた時です(ジョン・ウェッテランドの記事)。
せっかくの首位ポジションのシーズンでしたが、この年は8月11日でシーズン終了。そうです。ストライキが行われた年だったんですね。この年はポストシーズンも中止。
エクスポスは1981年以来のポストシーズン出場のチャンスを逸してしまいました。そしてそのままナショナルズへ。
また情報が入ればアップデートしたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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