2019 ゴールドグラブ賞が決定
現地2019年11月3日、野手にとっての最大の栄誉であるローリングス・ゴールド・グラブ賞の受賞者が発表されました。
ローリングスのゴールド・グラブ賞は監督、コーチによる投票とSABR(Society for American Baseball Research )が供出するセイバーメトリクスの指標とのミックスによって決定されます。
初受賞
2019年の受賞者の中で初受賞となったのはインディアンスのキャッチャーのロベルト・ペレス、ブルワーズのCFで神業を連発したロレンゾ・ケインをはじめ、ホワイトソックスのヨルマー・サンチェス、マイク・リーク(現Dバックス)、 J.T.リアルミュート、コルテン・ウォン、デービッド・ペラルタ、コディー・ベリンジャーなどです。
アレナドが7年連続で受賞
そして複数回受賞した選手のうち際立っていたのがロッキーズの3Bのノーラン・アレナド。7年連続の受賞です。また連続受賞ではザック・グレインキが6年連続、ムーキー・ベッツが4年連続受賞となっています。ロイヤルズのLF、アレックス・ゴードンは連続受賞としては3年ですが、通算7度目の受賞を誇ります。では、受賞した選手達を見てみます。
ア・リーグ
C:ロベルト・ペレス(Roberto Pérez) CLE (1)
1B: マット・オルソン(Matt Olson)OAK (2年連続)
2B: ヨルマー・サンチェス(Yolmer Sánchez)CWS(1)
3B: マット・チャップマン(Matt Chapman) OAK(2年連続)
SS: フランシスコ・リンドーア(Francisco Lindor)CLE (2)
LF: アレックス・ゴードン( Alex Gordon)KCR(7) 3年連続
CF: ケビン・キアマイアー(Kevin Kiermaier)TBR(3)
RF: ムーキー・ベッツ(Mookie Betts) BOS (4年連続)
P: マイク・リーク(Mike Leake) SEA (1)
ナ・リーグ
C: J.T.リアルミュート(J.T. Realmuto) PHI(1)
1B: アンソニー・リッゾ(Anthony Rizzo)CHC (3) 2年連続
2B: コルテン・ウォン(Kolten Wong)STL(1)
3B: ノーラン・アレナド(Nolan Arenado) COL (7年連続)
SS: ニック・アーメッド(Nick Ahmed) ARI (2年連続)
LF:デービッド・ペラルタ(David Peralta)ARI (1)
CF: ロレンゾ・ケイン(Lorenzo Cain) MIL (1)
RF:コディー・ベリンジャー(Cody Bellinger) LAD (1)
P: ザック・グレインキ(Zack Greinke)ARI (6年連続)
感想
ア・リーグ内野
注目の二遊間にはヨルマー・サンチェスとフランシスコ・リンドーアが選ばれました。ヨルマー・サンチェスは初受賞。フランシスコ・リンドーアは2016年以来、3年ぶり2度めの受賞です。二人とも非常にクリエイティブな守備を見せてくれました。メジャーの二遊間はこうあってもらいたいですね。
3Bと1Bのコーナー・スポットはともにアスレチックスからマット・チャップマンとマット・オルソンが2年連続で選ばれました。
ア・リーグ外野
CFにはレッドソックスのジャッキー・ブラッドリー・ジュニアかと思われたのですが、ケビン・キアマイアーが選出されました。キアマイアーは2015年と2016年に2年連続で選出されて以来、3年ぶりの受賞です。4年連続のムーキー・ベッツと3年連続計7度目受賞のアレックス・ゴードンはすごいの一言ですね。なおアレックス・ゴードンは2019年オフ、長年在籍したロイヤルズがクラブオプション行使を拒否したため、FAとなっておりロイヤルズ以外のユニフォームを着ることになりそうです。
ナ・リーグ内野
ナ・リーグの3Bは難しいところでしたね。筆者はポストシーズンのイメージの強さが効果を発揮して、てっきりアンソニー・レンドンが受賞するものとばかり思っていました。ジョシュ・ドナルドソンもなかなかの守備ですよね。
ハロー効果のバイアスを除いたか?
直近の成績など、とても目立ちやすいものなどについつい惹かれてしまうことを心理学的にはハロー効果と呼んだりしますが、これはバイアスです。つまり偏った見方をしてしまっているということですね。
今回3Bにアレナドが選ばれたということは、チームがポストシーズンに進出したかどうかといったハロー効果を意図的に排除し、可能な限り守備をありのままに評価しようした努力は伺えます。
ただ、個人の意見(筆者はハロー効果にだいぶ毒されていますが)としてはレンドンに獲ってもらいたかったなと思います。
アーメッドの2年連続も実は驚きました。ロッキーズのストーリーかと思ったので。1Bのリッゾは安定していますね。
ナ・リーグ外野
CFでロレンゾ・ケインが選ばれなかったら、GG賞の威厳がなくなると思っていたくらいロレンゾ・ケインは素晴らしかったと思います。
1Bでのノミネートが続いていたベリンジャーがRFで受賞。自身初めての受賞になります。ベリンジャーはスローイングが素晴らしいですよね。
デービッド・ペラルタはラインドライブの処理が非常にうまいですね。右打者が放つ正面のハーフライナーほどLF泣かせの打球はありません。ほんとにうまいです。
両リーグ捕手
両リーグともに捕手は初受賞になっています。もうメジャーでGG賞を受賞する捕手の肩の凄さは上のVTRの通りです。
ALの捕手はなぜかペレスつづき
ア・リーグの捕手はなぜかペレスが続いております。もっともこれは2人のペレスが優秀だったからに他ならないからのですが、珍しい偶然です。
今回はインディアンスのロベルト・ペレスが受賞したわけですが、それまではロイヤルズのサルバドール・ペレスが2013年から4年連続で受賞。2017年はマルドナードに1年譲って2018年に再びその地位に輝きました。
- 2019: ロベルト・ペレス(CLE)
- 2018:サルバドール・ペレス(KCR)
- 2017:マーティン・マルドナード(LAA)
- 2016: サルバドール・ペレス(KCR)
- 2015: サルバドール・ペレス(KCR)
- 2014: サルバドール・ペレス(KCR)
- 2013: サルバドール・ペレス(KCR)
両リーグ投手
ザック・グレインキとマイク・リークはともにトレードデッドライン前のクラブでノミネートされました。新旧Dバックスの二人が受賞したのも不思議な感じがします。ダブルプレー、バント処理、投手前のボテボテのゴロ、カムバッカーへの反応など二人とも守備は抜群にうまかったですね。
(追記)プラチナ・グラブ賞決定
現地2019年11月8日、ローリングスはプラチナグラブ賞を発表。
プラチナ・グラブ賞とはすでに発表となったGG賞受賞者の中から各リーグ1人、最優秀選手を選ぶ賞です。これはファンの投票によって決まります。2011年から始まりました。
2019年はア・リーグがマット・チャップマン、ナ・リーグがノーラン・アレナドに決定。二人のペアは2年連続です。おめでとうございます!
お読みいただき、ありがとうございました。
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