HOT STOVE 2020
大きなトレードが成立しました!
現地2019年11月27日、ミルウォーキー・ブルワーズとサンディエゴ・パドレスの間で大型トレードが成立。なかなかインパクトのあるトレードとなりました。
トレード内容
トレードの概要をまとめるとこうなります。ブルワーズが出したのはデビュー済みで数字も残している若手二人、一方パドレスが出したのは実績ある左腕とプロスペクト。ブルワーズがプロスペクトを欲したというトレードではないかと思います。かなりいいトレードではないかと思います。
ブルワーズGet | パドレス Get |
・エリック・ラウラー(LHP) ・ルイス・ウリアス(INF) ・PTBNL or Cash | ・ザック・デイビーズ(RHP) ・トレント・グリシャム(OF) |
ブルワーズGet(誕生日が同じ2人)
ブルワーズがパドレスから獲得したのは以下の二人。
エリック・ラウラー(LHP)
エリック・ラウラー( Eric Lauer )は2020年6月3日の誕生日で25才になる左腕(1995年生まれ)。2015年アマチュア・ドラフトでパドレスから1巡目指名(全体25位)を受けてプロ入り。
デビューは2018年4月で22才の時。メジャー2年の実績があり、2019年はフルシーズンでローテーションを守りました。
G | IP | W | L | ERA | SO | BB | |
2018 | 23 | 112.0 | 6 | 7 | 4.34 | 100 | 46 |
2019 | 30 | 149.0 | 8 | 10 | 4.45 | 138 | 51 |
2019年、ローテーションに苦しんだブルワーズは後述するザック・デイビーズもいなくなりますし、苦しい時に先発でも中継ぎでもこなしてくれたチェイス・アンダーソンをすでにブルージェイズにトレードに出しています。よって、ラウリーは貴重なローテーション左腕となりそうです。
メジャー通算2年で、SO 9(奪三振率)が8.2、BB 9(四球率)が 3.3、GB rate (ゴロ率)が 38.9%、HR/9 (被本塁打率)が 1.20。三振も取れて、ゴロ率も高い。尚かつHRもあまり打たれないことを考えると、リリーバーとしての起用もあり得ます。
いい左腕を獲得出来たと思います。
ルイス・ウリアス(INF)
そして注目はこちらかもしれません。もうルーキーステータスを超えていて、プロスペクトとは呼べませんが、パドレスが大事に育ててきた若手、ルイス・ウリアス(Luis Urías)がブルワーズに加わりました。MLB.comのPre-2019のプロスペクト・ランキングでは23位でした。
ルイス・ウリアスは2020年6月3日の誕生日で22才になります。いみじくもラウラーと誕生日が同じ。 ウリアスは1997年生まれ。ウリアスはメキシコ出身で2013年にアマチュアFAとしてパドレスとサイン。デビューは2018年8月28日。21才になったばかりでした。
2019年は71試合に出場。215打数48安打、打率 .223、OBP .329、SLG .326、OPS+ 76、HR 4、二塁打 8、RBI 24、SB 0、BB 25、WAR 1.0。
2019年はむしろトリプルAの成績を見た方が本来の力を確認できるかもしれません。トリプルAのチーム、エルパソで73試合に出場、打率 .315、OBP .398、SLG .600、二塁打19、HR19、RBI 50、SB 7、BB 36、SO 62。
ヒウラとの2B/3B争いか
ウリアスがやってきたSS/2Bには、オーランド・アルシア、ケストン・ヒウラ、あるいはトラビス・ショーがおります。3B/2Bを守ったマイク・ムスターカス、また2019シーズン後半にいい働きをしたコーリー・スパンジェンバーグはFAなので、いなくなる公算の方が高いです。
よって、アルシアのSSは動かせないとして、ヒウラと2B/3Bを争う形になるのではないかと思います。ブルワーズはプロスペクトがかなり枯渇し始めていましたので、サラリーも含めてプロスペクト扱いで獲得したと思われます。
PTBNL or Cash
後日指名(Players To Be Named Later)の選手、あるいはキャッシュもブルワーズにわたります。おそらくプロスペクトをもらうでしょう。そのためのデイビーズとグリシャムかと思います。
ではパドレス側を見てみます。
パドレス Get
こちらはパドレスがお得というか、ブルワーズが損をしているというかそのような印象もあるのですが、とにかくパドレスはいい選手2人をゲットしました。
ザック・デイビーズ
ザック・デイビーズは2020シーズンで27才になる右腕。2011年アマチュア・ドラフトでオリオールズから27巡目指名でプロ入り。高校卒です。デビューは2015年9月2日、22才の時。
ヘラルド・パーラとのトレードでMILへ
デビューイヤーの2015年のトレードデッドラインで、オリオールズからブルワーズへ。この頃、オリオールズは首位争いをしていた時期で、前年の2014年はア・リーグ東地区を制覇。2015年もプレーオフに向けて戦力補強を行いました。ブルワーズから獲得した選手はあのヘラルド・パーラです。
2017年に17勝
ザック・デイビーズは2019シーズンでメジャー5年を経験しました。通算で43勝32敗、ERA 3.91。キャリアハイの勝利数は2017年の17勝9敗。この年は33スタートでフルシーズン、ローテーションを守りました。
2019年は31試合に登板、159.2イニングを投げ、10勝7敗、ERA 3.55、奪三振が102、WARが2.5です。
かる~く投げているのがよい投手
注目すべきはかる~く投げている投球スタイル。もしブルペンで見たら、大丈夫か?というスピードですが、これがどうやら打者の手元でかなり伸びているようでなかなか打たれません。いい投手です。
トレント・グリシャム
この人まで出したのか!と驚くほどの今回のトレードですが、かなりのブルワーズはパドレスからかなりのプロスペクトを要求すると思われます。それくらい価値のある選手です。
トレント・グリシャムと言えば、記憶に新しいあの辛いプレーでしょうか。
ブルワーズの9月の快進撃を支えたヒーローの一人
ワイルドカードでは最後に厳しい試練が待っていましたが、それまでのグリシャムはブルワーズにとっての救世主のような存在感を見せました。9月の快進撃を支えたのも彼が上がってきたからでした。
80年代の風貌もまだ23才
ご覧のような風貌で80年代の匂いがぷんぷんする選手ですが、まだ23才になったばかり。ちなみにドラフトは2015年のブルワーズ1巡目指名です。デビューは2019年8月1日。
2019年の成績は51試合、打率.231、OBP .328、SLG .410、HR 6、RBI 24。
パドレスでは厳しい戦いが
どこに行ってもMLBのOFに安泰出来るクラブはありませんが、グリシャムはマニュエル・マーゴット、ウィル・メイヤーズ、ハンター・レンフロー(33HR)らとポジションを争います。また、実績はグリシャムの方が上ですが、フランチー・コルデロという25才の左打ちの外野手もライバルとなります。
とにかくあの悔しい一戦を超えてほしいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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