いよいよポストシーズンが開幕!
現地2019年10月1日、いよいよポストシーズンが始まりました。お客さんも選手もゲーム前から盛り上がってました。
まずはナ・リーグのワイルドカード(NLWC)からの開催で、ナショナルズパークにてブルワーズ@ナショナルズの1ゲーム・マッチアップが開催されました。
”此の一戦” にかけるスターター
このゲームのスターターです。
Brewers | Nationals |
1. グリシャム-RF 2. グランダール-C 3. ムスターカス-3B 4. ヒウラ-2B 5. ブラウン-LF 6. テームズ-1B 7. ケイン-CF 8. アルシア-SS 9.ウッドラフ-P | 1.ターナー-SS 2. イートン-RF 3. レンドン-3B 4. ソト-LF 5. ケンドリック-1B 6.カブレラ-2B 7. スズキ-C 8. ロブレス-CF 9.シャーザー |
NLWCなのでピッチャーが打席に入ります。ブルワーズは怪我が心配されたライアン・ブラウン(右ふくらはぎ痛)とロレンゾ・ケイン(左足首捻挫)が強行出場しました。
ラインナップを見るだけで泣きそうになるくらい、両チームともにこの一戦にかける意気込みが伝わってきました。
プレゲーム・セレモニー
現役のアーロン・バレットが1stピッチ
なお、セレモニアル・ファーストピッチはナショナルズの現役の投手、アーロン・バレット(Aaron Barrett)が務めました。アーロン・バレットは2019年9月7日に4年ぶりのMLB復帰を果たしたことで話題になった投手。このワイルドカードのロスターからは漏れていたところをチームのはからいでマウンドに。
バレットは2016年と2017年はトミー・ジョン手術でリハビリ。その後上腕を骨折し、もう投げられないほどの状態から復帰した投手です。
やや長めの始球式でもありました(笑)
ゲームのポイント
どの投手も90マイル後半連発
先発はナショナルズがマックス・シャーザー(Max Scherzer)、ブルワーズがブランドン・ウッドラフ(Brandon Woodruff)。
二人とも90マイル後半をガンガン投げる投手ですが、この日はいつにも増して速かったです。これがポストシーズンなんだという投球。
レギュラーシーズンではファストボールのMAXが97mph(156.106kmh)ほどのシャーザーがこの日はさらにギアがアップ。初回から98-99mph(157.7-159.3kmh)をヒット。
また、ブランドン・ウッドラフも99mphを連発。100mph(160.93kmh)をヒットした投球もありました。故障明けにもかかわらず、初回から飛ばしまくりました。
また、あとのリリーバーもレギュラーシーズン以上にボールが走っておりました。詳細は後述で。
先制はブルワーズ
そんな中、立ち上がりに力みが見られたマックス・シャーザーはルーキーで先頭打者を務めたトレント・クリシャムに対して四球。微妙な判定でしたが、低めを取ってもらえませんでした。
そして続く、ヤズマニ・グランダールの初球。フォアボールの後の初球でしたが、インコースやや甘めの98.3mphのファストボールをヤズマニ・グランダールがきれいに振り抜いて、これがライナーでRFブルペンに入るHRに。グランダールがうまかったと思います。
これが2ランHRとなり、ブルワーズが初回に先制。2−0とリードします。
2回表、ブルワーズがテームズのHRで追加点
シャーザーは初回に失点した後はむしろ余計な力が抜け、平常運転に戻ったように思えたのですが、2回表に先頭のエリック・テームズにカーブをうまく合わされ、これが右中間スタンドに飛び込むHRに。
ブルワーズが序盤で3−0とリードする展開となりました。
よく飛んだなという当たりでした。
3回裏、トレイ・ターナーがソロHR
一方のナショナルズ打線はブランドン・ウッドラフの球威に押されていました。しかし、3回裏、2アウトからトレイ・ターナーがフルカウントまで粘り、6球目の97.6mphのファストボールをフルスイング。これが左中間のブルペンに入るソロHRに。
ナショナルズが1点を返し、スコアは3-1となりました。
打たれる前のボールが速かったので(98.4mph)、反応されてしまいましたね。
3−1と2点差となったゲームは中盤に流れを取り合うかのごとく、両チームのブルペンが好投。
シャーザーは5回を投げ、被安打4、失点3、与四球3、奪三振6、被本塁打2で降板。
一方のブランドン・ウッドラフは4回を投げて被安打2、失点1、与四球0、奪三振3、被本塁打1で降板しました。
B・スーターが復帰後の勢いキープで無失点
5回裏、ブルワーズはこの回から2番手としてブレント・スーター(Brent Suter )が登板。2本の内野安打でピンチを迎えるもトレイ・ターナーをCFフライに仕留め、無得点。トミー・ジョンから復帰後リリーフで9試合、ERA 0.49の勢いをキープしました。
ナショナルズ、ストラスバーグが2番手!
なんとも豪華なリレーですが、ナショナルズは6回表からスティーブン・ストラスバーグが登板。リリーフは初めてです。
そのストラスバーグは6回から8回までの3イングを任され、変化球を中心にブルワーズ打線に仕事をさせませんでした。3イニングを被安打2、無失点、奪三振4。
ポメランツ、ベロシティーがアップ
ブルワーズは6回裏からドリュー・ポメランツ(Drew Pomeranz)がマウンドに上がりました。
驚いたのがポメランツのベロシティー。2018年は90mph(144.8kmh)そこそこの印象しかありませんでした。たとえば、2018年9月5日のブレーブス戦ではMaxが93.8mph(150.96kmh)、平均で91.2mph(146.77kmh)。
ところがこの日はMAXで 97.8mph(157.39kmh)をヒット。アベレージでも常時95mph(152.89kmh)近辺という数字。6回と7回の2イニングをパーフェクトに抑えました。
なぜレッドソックス時代にこのベロシティーが出なかったのかと突っ込んだことは言うまでもありません。
ジョシュ・ヘイダー、またしても逃げ切れず
いよいよ問題の8回裏。ブルワーズのマウンドにはジョシュ・ヘイダー(Josh Hader)が上がりました。レギュラーシーズンではクローザーを務めましたが、28日のロッキーズ戦でクロージングに失敗。
その影響もあり、カウンセル監督は本来のセットアップで起用しました。打順は8番のロブレスから。
ヘイダーはレギュラーシーズン後半では打たれた直後はギアを上げて二次災害を防いできました。
この日はそうならなうちからいきなりのギア・アップという投球。いつも以上に荒々しかったです。細かいコントロールよりも勢いで抑えると割り切っての登板に見えました。
テイラーの死球にチャレンジを要求
ロブレスを三振に仕留めた後、ピッチャーの打席でマイケル・テーラーが代打で登場。
フルカウント後のファストボールがテイラーの手首に当たるデッドボールに。ただ、ボールが速すぎてバットに当たったのか、手に当たったのかよくわからないほどでした。判定が微妙ということでカウンセル監督はチャレンジを要求。
グリップを余らせて握っていたその空間に当たったという感じでしたが、たしかに手首にも当たっていたということで判定は変わらず。
ここでエンジンを巻き直すべく、ヘイダーはつづくトレイ・ターナーを三振に仕留め、2アウト。
ライアン・ジマーマンが執念のCF前
ナショナルズはここでなんとかしておかないとという判断で取って置きの代打、ライアン・ジマーマンを代打で起用。
ベテランゆえに最後はファストボールというシナリオでよかったと思いましたが、2球目にファストボールを見せてしまいましたね。
スライダー→ファストボール→スライダーと交互に続けた後、ジマーマンの読みはもちろんファストボール。厳しいコースでしたが、ジマーマンがこれに対応。バットを降りながらもCF前ヒット。
この当たりでマイケル・テイラーが3塁へ進塁。
2アウトランナー1・3塁に。ナショナルズはジマーマンの代走にアンドリュー・スティーブンソンを起用。
レンドンVSヘイダー
そしてバッターはアンソニー・レンドン。
見応えのある対戦となりましたが、気合が入りすぎたのか、ヘイダーは3ボールを先行させてしまいます。その後、フルカウントまで持ち直しましたが、最後はファストボールが高めに外れて四球。
これで2アウト満塁。
このゲームの最大の見せ場が訪れ、バッターはフアン・ソト。
フアン・ソトがタイムリー
ソトの勝負は早かったです。1−1から高めのファストボールをフルスイング。これがライト前に。
1球目のファストボールが97mph(156.10kmh)で打たれた3球目のファストボールが95.3mph(153.37kmh)。もしも打たれた原因を上げろと言われれば、1球目よりもベロシティーが落ちた分、反応しやすくなってしまったというところでしょうか。
ジョシュ・ヘイダーは今季、左打者から.143しか打たれていなかったのですが、れを打ったソトはすごかったですね。
グリシャムが後逸
ライト前にクリーンヒットとなったソトの打球にRFのトレント・グリシャムがホーム送球に備えダッシュしたまではよかったのですが、なんとこれを後逸。もっともやってはいけない痛恨のエラーを犯してしまいます。
これで走者が一気に生還。
ナショナルズが8回裏に3点を奪い、4−3と逆転に成功したのでした。
外野の芝生を転がる際、ボールは揺れて転がったりします。ひょっとしたらその影響もあったのでしょうか。ルーキーにはきついエラーとなってしまいました。
ダニエル・ハドソンがクロージング
ナショナルズはシーズン後半同様にクローザーにダニエル・ハドソン(Daniel Hudson )を起用。ダニエル・ハドソンはこのトレードデッドラインでブルージェイズから獲得した右腕です
トミー・ジョン手術2度
ダニエル・ハドソンは2012年7月26日にトミー・ジョン手術を施行。2013年6月にマイナーでリハビリ投球後に肘痛を発症。今度は別の箇所に損傷が見つかり再びトミー・ジョン手術に。2014年9月にメジャーに復帰しました。2015年には本格復帰し、フルシーズン投げられるようになりました。
2年連続でトミー・ジョン手術など並のハートなら心が折れそうな出来事です。それを乗り越えてきた人間はやはり強いですね。
2019年、ナショナルズへ移籍した後は3勝0敗、ERA 1.44の好成績。
そのハドソンが9回表のブルワーズの攻撃を無失点に抑え、ゲームセット。
ナショナルズが見事にNLDS進出を決めたのでした。
GAME SCORE
感想
ブルワーズは勝ちゲームを落とした形となりました。しかも信頼できるジョシュ・ヘイダーでの敗戦。
ブルワーズとすればいくらジョシュ・ヘイダーを信頼していたとは言え、シーズン終盤のクロージングの失敗が頭に残っていたでしょうから、追加点がほしかったところです。
それをナショナルズがシャーザー、ストラスバーグという豪華リレーで阻止。ピッチャーで流れを掴んだ勝利と言っていいと思います。
それにしても神がかったゲームでした。
お読みいただき、ありがとうございました。
AL | NL | |
WC | TBR 5, OAK1 | WSH4, MIL 3 |
DS-1 | 1. HOU 6, TBR 2 2. HOU 3, TBR 1 3. TBR 10,HOU 3 4. TBR 4, HOU 1 5. HOU 6, TBR 1 | 1. LAD 6, WSH 0 2. WSH 4, LAD 2 3. LAD 10, WSH 4 4. WSH 6, LAD 1 5. WSH 7, LAD 3 (F/10) |
DS-2 | 1. NYY 10, MIN 4 2. NYY 8, MIN 2 3. NYY 5, MIN 1 | 1. STL7, ATL 6 2. ATL3, STL0 3. ATL 3, STL 1 4. STL 5, ATL 4 (F/10) 5. STL 13, ATL 1 |
CS | 1. NYY 7, HOU 0 2. HOU 3, NYY 1 (F/11) 3. HOU 4, NYY 1 4. HOU 8, NYY 3 5. NYY 4, HOU 1 6. HOU6, NYY 4 | 1. WSH 2, STL 0 2. WSH 3, STL 1 3. WSH 8, STL 1 4. WSH 7, STL 4 |
コメント
壮絶な試合でしたね。8回裏はまさに神回。
ブラウンの代わりにレフトに入ったギャメルが何かやらかすかな?
と思ってたらまさかのライト。
ワイルドカードゲームだと青木がいた年のロイヤルズを思い出しました。
ナ・リーグ最強ドジャース危ないかも。
ケン様
コメントありがとうございます。
まさにポストシーズンというゲームでしたね。
>ブラウンの代わりにレフトに入ったギャメルが何かやらかすかな?
そうですね。守備固めのことを書くのを忘れていました。
いい対策はしていたんですよね。2Bもヒウラからスパンジェンバーグに代えて
守りを固めていたのに、まさかのグリシャムの後逸でしたね。
>ナ・リーグ最強ドジャース危ないかも。
そうですね。ドジャースにとっては嫌な勝ち方をされました。
コメントありがとうざいました。