2018年の成績を酷評されるも、大進化
パイレーツのジョシュ・ベル(Josh Bell)が好調です。
現地2019年5月25日のドジャース戦はチームは2−7で敗れましたが、ベル自身は4番1Bで4−2。
このゲームを終えた成績は49試合に出場し、185打数63安打、打率.341、OBP .407、SLG .714、OPS 1.120。2塁打17本、3塁打2本、本塁打16本、打点47。
大躍進の2019年
今季のナ・リーグはブルワーズのクリスチャン・イェリッチとドジャースのコディー・ベリンジャーが目立ちすぎて、ジョシュ・ベルの活躍が霞み気味ですが、その2人としっかりと争っております。
【現地2019年5月25日時点のベルの打撃ランキング】
- HR 16本 : ナ・リーグ4位(1位はイェリッチの20本)
- 打率 .341 : ナ・リーグ2位(1位はベリンジャーの.391)
- 打点 47 : ナ・リーグ2位(1日前までは1位。25日終了時点でベリンジャーが48打点で1位)
- OPS 1.120 :ナ・リーグ3位(1位はベリンジャーの1.240)
- 三振 46 : ナ・リーグ34位(少ない!)1位はハーパーの70
プレーヤー・オブ・ザ・ウィークに選出
2019年5月19日終了週は、ア・リーグのヴラディーミル・ゲレロ・ジュニアとともにナ・リーグのプレーヤー・オブ・ザ・ウィークに選ばれました。
打率.407、 OBP .484、 SLG .889、6Runs、 11安打、2塁打 1本、HR 4本、 RBI 10、4BB(5月13日から19日までの成績)。
ジョシュ・ベルとは
あらためてジョシュ・ベルをご紹介しておきますと、1992年8月14日生まれの26才。
2011年パイレーツの2巡目指名の選手です。デビューは2016年7月。
デビューイヤーはRFも守ったことがありますが、今は1B専門です。ア・リーグとの対戦のときはDHを打ちます。
大事なポイントですが、スイッチヒッター。
2017年に26HR
ジョシュ・ベルはデビュー翌年の2017年に159試合に出場し、140安打、打率.255、HR 26、打点 90 を記録。
その長打力が大いに評価されていました。
2018年にパワーを失う
ところが、2018年は148試合に出場し、131安打でHRが12本と激減。
改善ポイントはいくつかありました。
【ジョシュ・ベルの2017/2018打撃比較】
- 打率向上:.255→.261(↑)
- 三振減:117→104(↑)
- OBP向上:.334→.357(↑)
- 四球増:66→77(↑)
- HR減:26→12(↓)
- 打点減:90→62(↓)
当然、SLGも下がった訳で、2018年は確実性は増したものの、パワー部門が明らかに落ちたのでした。
パワーを失ったベルなんて
もともと守備がうまい方ではありません。俊敏とは言えず、フットワークもよくない方。当然足も速くなく、「全般的に守備は褒められたものではない。」これがベルの守りに対する評価でした。
そこに2018年のパワーダウンですから、「長打のないベルの魅力は?」と疑問視する声もあり、今季はほとんど期待されていなかったと言っても過言ではありません。
前評判を覆す活躍
ところが、先述のように2019年は前評判を覆す大活躍。
秘密は足の上げ方
今季の活躍について、ジム・トーミが解説をしています。
早めの始動とスモールステップ
ジム・トーミによると、今季のジョシュ・ベルは始動が早いとの分析です。投手がボールを持った腕を下げたタイミングで足を上げ始めていると。
それに普通は足を高く上げるとステップ幅が大きくなるところをジョシュ・ベルはわずかなステップに抑え、余裕を持ってボールを見ることが出来、パワーのロスがないとの分析をしています。
トーミの分析は左打席だけの解説でした。
左打席の構えはオープンからスクエアに
正直、投手によって変えているときもあるのですが、ベルの左打席での顕著な変化は構えにもあります。2018年は右足を引いてオープンに構えていました。
こちらは2018年7月12日のブルワーズ戦。
素人目に見てもこのような変化があります。
しかし、2019年はスクエアに。
顕著なのは右打席の足の上げ方
よりわかりやすいのは右打席での変化です。
足の上げ方が2018年は左打席のように高く上げていました。
ところが、2019年の右打席はすり足気味に。
右と左で同じフォームにするのではなくて、タイミングが取りやすいように変えているのが今季の成功のポイントではないか?と思います。
イェリッチとベリンジャーが目立ちすぎてますが、ベルの進化は非常に興味深いです。
皆様も機会があればご注目を。
ちなみに左打席の方が得意なようですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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