3つのディール
現地2019年1月10日、大物選手のディールがバタバタっと3つ決まっておりますのでご紹介させてください。
1. ブライアン・ドージャーはナショナルズへ
まずはナショナルズです。ドジャースからFAのブライアン・ドージャー(Brian Dozier )と1年900万ドルで合意です。現在はフィジカル・チェックの結果待ちです。
ブライアン・ドージャーとは?
ブライアン・ドージャーは2019年5月15日で32才になるベテラン2B。
ドラフトは2009年、ツインズの8巡目です。デビューは2012年5月7日のエンゼルス戦。まもなく25才になろうかというタイミングでした。
これだけの選手が25才でデビュー?と思いましたが、22才でプロ入りしてマイナーで3シーズンほど過ごしていたんですね。
デビュー以降はツインズにとって手足のような選手でした(顔と書こうと思ったのですが、ジョー・マウアーがおりましたので、ドージャーはとにかく仕事が出来るという意味で手足に例えました)。
2018年7月のトレードデッドラインでドジャースに移籍。そして今オフにFAとなり、ナショナルズと合意に至ったという流れです。
ブライアン・ドージャーのスタッツ
まず、アウォードとスタッツの概略ですが、このような素晴らしい経歴になります。
- オールスター出場1度 (2015)
- ゴールドグラブ賞 (2017)
- 20HR以上達成: 5シーズン (2014-2018)
- 30HR以上達成: 2シーズン (2016 & 2017)
- 40HR達成: 1シーズン (2016)
- 100 Runs 達成: 4シーズン (2014-2017)
40HRのシーズンがあるというのがすごいですね。
MLB通算7年で打率.246、OBP.324、SLG.444、HR172本、RBI 511。
2018年はスランプに
ただ、2018年の成績は落ちました。
【2018レギュラーシーズンのドージャーのスタッツ】
- MIN: AVG .227/ OBP .307/ SLG .405、16HR、52RBI
- LAD: AVG. 182/ OBP .300/ SLG .350、5HR、20RBI
何度もブライアン・ドージャーに声をかけてきたドジャースは2018年のトレードデッドラインでようやく念願叶って獲得したものの、獲得後はパッとせず、しかもポストシーズンの成績が非常に悪かったんですね。
【2018ポストシーズンのドージャーのスタッツ】
- 2018 NLDS: 2打数1安打
- 2018 NLCS: 9打数1安打、2打点、打率 .111、2四球
- 2018 WS : 5打数0安打、3四球
ポストシーズンはトータルで16打数2安打。四球が5つあるので調子が悪いなりになんとか技術で出塁を試みてゲームに貢献しようとした形跡は伺えるものの、マックス・マンシーには及びませんでした。
ヒザの痛み
ドージャーの不振の原因は右膝の痛み。4月に傷め、5月にはMRIで検診したものの、特におかしなところがなく、原因がはっきりしないまま痛みだけが続くという最悪の状態で過ごしておりました。
レッドソックスとのワールドシリーズのときもどうしてあのドージャーが?と思ったくらい影が薄かったです。やはりこのような理由がありました。
ドージャーの場合、本当にヒザさえ治ればと思います。
ナショナルズでは26歳のウィルマー・ディフォ(Wilmer Difo)との競争になります。併用にするかもしれませんね。
2. ジェド・ラウリーがメッツへ
次のディールです。
2Bを求めているとの情報があったメッツが、アスレチックスからFAのジェド・ラウリー(Jed Lowrie)を獲得しました。
合意内容は2年2,000万ドルでフィジカル・チェック待ちです。
メッツはカノーを獲得済みなのになぜ?
ご存じの通り、メッツは現地2018年12月3日にマリナーズとのブロックバスター・トレードを完成させ、ロビンソン・カノー(Robinson Cano )を獲得しております。
よって、すでに2Bがいるのになぜラウリーを獲得したの?と疑問が湧くと思います。
その点に関しては、新GMのワゲネンさんはカノーの年齢のことを考慮しております。
ロビンソン・カノーは2018年10月22日に36才になりました。
2019年のプロジェクション(成績予想)では打率.275、HR16、RBI 60といういい数字が出ているカノーですが、予めいろいろなリスクを想定せざるを得ないGMの立場とすれば、さすがのカノーに関しても寄る年波には勝てないケースも想定せざるを得ません。
よって、2Bを探しておりました。
2019年のメッツの内野
ワゲネンGMは2019年のメッツの内野の布陣を、このように考えております。
3Bにトッド・フレイジャー(Todd Frazier)、SSに22才のアーメッド・ロサリオ(Amed Rosario)、2Bにラウリー、そしてカノーを1Bにするというプランです。
またもともとSSもこなすラウリーは守備でも複数のポジションをこなすことが出来、さらに打撃でもスイッチヒッターなので現場のオプションが広がる点もラウリー獲得の決定打となっております。
ジェド・ラウリーとは
実はジェド・ラウリーも結構年齢が行っておりまして、2019年4月に35才になります。
スタンフォード出身で2007年レッドソックス1巡目指名です。ちなみにワゲネンGMもスタンフォード出身(これもラウリー獲得の決定打の1つかな??)。
在籍したクラブは、レッドソックス(2008-11)、アストロズ(2012)、アスレチックス(2013−14)、アストロズ(2015)、アスレチックス(2016−18)。
MLB11年でAVG .262、OBP .335、SLG .414、HR 104、RBI 509。
35才近辺の選手のFA移籍が難しくなってきている昨今のMLBですが、ラウリーに対してメッツをはじめ複数のクラブから引き合いがあったのは、ひとえに直近の成績の良さにあります。
ジェド・ラウリーのキャリアハイは2018年になります。
157試合(キャリアハイ)、159安打(キャリア2番め)、AVG .267(キャリア4番め)、OBP .353(キャリア3番め)、SLG .448(キャリア3番め)。
さらにオールスター初出場も2018年です。
ここ2年はヘルシー
ラウリーは2016年に左足の腱膜炎(外部:済生会HP)と右すねの挫傷で4度DLに入りましたが、ここ2年はDLには入っておりません。
2018年7月13日に深めのポップフライを追って、RFのピスコッティーと衝突するひやりとする場面がありました。
このゲームでは大事をとって途中退場。しかし、翌日には代打で出場し、2日後の15日には先発でフル出場。よってこの衝突に怪我の影響はなく、ヘルシーであると言えるでしょう。
メッツはこのオフのストーブリーグで非常に冴えております。
まず、リアルミュート獲得をいいタイミングで諦めてウィルソン・ラモスとヤズマニ・グランダールのどちらかに絞りました。
そのヤズマニ・グランダールとのディールにおいてもしっかりと妥協ラインを決めて交渉に臨み、条件が合わないことからウィルソン・ラモスに絞り、契約。
ここまでワゲネンGMの判断の良さが目立っております。
今回のジェド・ラウリー獲得も、シーズンに入って、いい結果が出ればいいですね。
ルメイヒューにジャイアンツが関心
同じ2Bのポジションの選手についての噂です。
声がかからなくて不思議で仕方ないのがロッキーズからFAのD.J.ルメイユ。
こんな素晴らしい選手がどうしてまだ残っているのか?という状況なのですが、どうやらジャイアンツが関心を寄せているようです。
仮に合意してジャイアンツに移籍したとなると、同じナ・リーグ西地区への移籍になるので何かちょっと複雑なものがありますね。
ちなみにジャイアンツの2Bにはジョー・パニックという素晴らしい選手がいるのですが、どうするつもりなのでしょう? SSはクロフォードで決まりですから、3Bでの起用を考えてるのでしょうか?ロンゴリアは1B固定?
3. デービッド・フェルプスがブルージェイズと合意
投手のディールも決まっております。
マリナーズからFAとなっていた右腕のデービッド・フェルプス(David Phelps)がブルージェイズと1年250万ドルで合意しております。
2020年はクラブオプションで登板試合、ゲーム・フィニッシュの数によって金額が決まっております。実質ベスティング・オプションのような契約です。
さらに登板試合数、ゲーム・フィニッシュ数によってボーナスもあるようです。
デービッド・フェルプスは2019年で32才。もともとはヤンキースでデビューし、いいピッチャーだと思っていたのですが、2014年にマーリンズに移籍。
この時のトレードでマーリンズからヤンキースに移ったのはネイサン・イオバルディでした。
2017年からはリリーバーとなっております。
フェルプスは2018シーズン、トミー・ジョン手術のリハビリ空けの年で、10試合のみの登板に終わっています。2019年は手術空けの初めてのフルシーズンになりますので、よい年にしてもらいたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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