まもなくスプリングトレーニング
現地2019年2月10日、スプリングトレーニングの開始まで残り数日となりました。
3月20日、21日のジャパン・オープニングに備え、現地11日からはアスレチックスのバッテリー組、12日からはマリナーズのバッテリー組のワークアウトが始まります。
大半のクラブのバッテリーが2月13日、野手が2月18日から始まります。しかし、まだ残っているFAの大物がたくさんいますね。
選手はワークアウトの開始日にかかわらず、オフの間もコーチをつけて独自にトレーニングを行っていて、いつでもゲームに出られる状態に仕上げていくので、チームの連携やサインを覚える必要があるものの、よい状態に持っていけます。
前年のJ.D.マルチネス(2末に決定)やマイク・ムスターカス(3月頭に決定)がそうでしたね。
もっとも、スプリングトレーニングのゲームに出るには早いに越したことはないので、とにかく早めに結論を出したいというのが本音かと思います。
スプリングトレーニング直前の現地2019年2月10日の状況をまとめてみました。
ダラス・カイケル
ダラス・カイケルのディールが決着が長引いているのはやはり高い年俸の設定。これはハーパーもマチャードもみんなそうですね。
トレード・ルーモアによりますと、ダラス・カイケルはこのオフシーズンが始まった当初、6-7年、年俸2,500万ドルから3,000万ドルのレンジ(範囲)で探していた模様です。
そんなところだろうとだいたい想像はついておりました。
31才になったばかりのカイケル。36才から37才までの保証を求める気持ちはわかりますが、サイ・ヤング賞投手とは言え、やはり設定が高すぎて市場からのオファーが来ていないという結果となっております。
マーウィン・ゴンザレス
おなじくアストロズからFAのユーティリティー、マーウィン・ゴンザレス(Marwin Gonzalez)。こちらも似たような複数年設定で、だいたい6-7年で6,000万ドルほどのレンジで探していたようです。
年俸にしてだいたい1,000万ドル平均です。カイケルに比べてやや控えめとは言え、ここまで決まっていないのはやはり市場とのアンマッチということかと思います。
カイケルもマーウィンもエージェントはボラス氏
実はアストロズのこの2人のエージェントはスコット・ボラス氏。ハーパーと同じですね。ちなみにマチャードはMVP Sports Groupというエージェント会社です。
ボラスさんを良いように捉えれば、なんとか選手の希望を叶えて頑張ろうとする人。それが自分のコミッション増にもなるというメリットがありつつも、そういう面も考えられます。
エージェントからプライドの高い選手に対してもう少し下げないか?というのも失礼に当たるというのもあるでしょう。それにマーケットの言いなりは選手の価値の最大化とは正反対の概念です。
よってがんばるわけですが、さすがにこの長引き具合はボラス氏の顧客以外にも悪影響を与えているような状況です。
タフネゴシエーターのボラス氏がどこに落とし所を決めるのか注目したいと思います。ただ、メソッドとしての最初のハイボールがちょっと高すぎるんですよね。おそらくカイケルとマーウィンの設定もボラス氏のアイデアではないかと推測します。交渉相手はそんなことはわかっているだけに、落ち着くラインが非常に見ものです。
マーケットは?
MLBTR predicted によれば、マーケットはこんな感じです。
- ダラス・カイケル: 4年 8,200万ドル(平均で年俸2,050万ドル)
- マーウィン・ゴンザレス:4年 3,600万ドル(平均で 年俸900万ドル)
ボラス氏は契約年数のところを調整しているのではないか?と推測します。
噂としては、カイケルはレッズが当初の候補に上がっていましたが、取り下げたような雲行き。実はフィリーズは左の先発が欲しいのですが、ちょっとためらっているようです。ハーパーの件もありますし。ツインズが手を上げそうです。
マーウィンは、ここに来てブルワーズが手を上げそうですが、後述するムスターカスとどちらかということになりそうです。オープナーを使うクラブにはもってこいの逸材ではあります。
ブライス・ハーパーはジャイアンツに行くのか?
ここに来てハーパーの移籍先として急激に候補に名乗りを上げたのが、サンフランシスコ・ジャイアンツ。ジャイアンツは1年前もJ.D.マルチネスの獲得に手を上げたものの、消極的ではありました。
ただ、昨年と違う点はGMが変わっていること。
西海岸に行きたいと思われるハーパーとかなりマッチしているようにも思えます。
問題はサラリーです。どうやらジャイアンツはショート・タームでのオファーを試みた模様。残念ながら、オファーした金額は明らかになっていませんが、10年$300Mというハーパー側の設定を年俸単価で近づけようという試みなのは確かだと思います。
記者のヘイマンさんは、ジャイアンツがダービーから抜け出たわけではないと冷静な見方をしております。
筆者もそう思います。最後は一番条件のよいところを選ぶのがFA市場。ジャイアンツとかなり接近しているとは言え、まだわかりません。
マニー・マチャードはNYYに行きたい?
マチャードの最近の報道を見て思うは、「本当はNYYに行きたいんでしょ!」ということ。なぜそう思うかというと、行きたいところがあるけれど、条件が合わないんだよという煩悶のように思えるからです。主観的要素が入っております。すみません。
マチャードへのオファーを整理するとこのような感じです。
- ホワイトソックス:
7年$175M→アップ 8年 $250M→8年 $175M-$250Mの間 - ヤンキース: 7-8年 $220M
- フィリーズ: ?
- パドレス: ?
追記:2019年2月13日
ヘイマンさんによると、ホワイトソックスのオファーは$250Mより低いようです。よって、上の数字を訂正しておきます。
ハーパー、マチャードの10年$300M
ハーパーもマチャードも何にこだわっているのかというと、史上最高の契約です。
その目安の一つが、ジャンカルロ・スタントンが2014年1月にマーリンズと合意した13年$325Mのオファーを超えるかどうか。
年俸だと$30M平均なら、ジャンカルロ・スタントンの契約を超えるということになります。
それだけふたりとも自分の価値を最大限に評価してもらいたいという考えがあるようです。30才にはまだ時間のあるこのタイミングが最大価値をもたらす時期と考えているのでしょう。
俺が、俺がというのがアメリカのアピールなのでしょうが、ファンはそんなところを見てないと思います。
プロ選手としての最大の価値を誇りたいなら、NBAのスティーブン・カリーの年俸$37Mがあって、上には上がいて事情も違うと。ジャンカルロとそんな契約を結んだ野球ビジネス音痴の旧マーリンズ経営陣の出したクレージーなオファーと比較するなんて意味がないと思うんですけどね。
2人の候補は、ハーパーがジャイアンツ、フィリーズ、ナショナルズ。マチャードがホワイトソックス、ヤンキース、パドレス、フィリーズです。
マイク・ムスターカス
またしても大物FAのあおりを食らっているマイク・ムスターカスですが、現地2019年2月10日の情報ですと、ブルワーズが再契約を狙っております。ブルワーズにとってはムスターカスかマーウィン・ゴンザレスかというところ。
また、パドレスがマチャードを獲得できなかった場合のプランBとしてムスターカスに関心のようです。パドレスは早めに獲得を表明した方がよいように思います。結局誰も獲れない!となりかねません。
コーリー・クルーバー
コーリー・クルーバーは現地2月14日当たりに発表されるインディアンスのピッチャー/キャッチャー・レポートに名を連ねる予定です。インディアンスとしてはトレードはなしということでクローズとしたいもようです。
クレイグ・キンブレル
動きが停滞。今のところ、ATL、BOSというところでしょうか。
カーゴとアダム・ジョーンズ
トレード・ルーモア情報ですが、ロッキーズからFAのカルロス・ゴンザレスとオリオールズからFAのアダム・ジョーンズをインディアンスが熱心に追いかけているようです。
さすがにあの得点力のままではピッチャーがかわいそうですからね。もう両方獲得して欲しいところです。
セルジオ・ロモ
ロモにはブルージェイズが関心を持っているようです。恐らくレイズも再契約に向けて動くと思われます。
お読みいただき、ありがとうございました。
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