サイヤング賞左腕がいよいよ稼働
現地2019年6月21日、アトランタ・ブレーブスのダラス・カイケル(Dallas Keuchel )がついにシーズン・デビューを果たしました。
ナショナルズと敵地での対戦です。
ここまで長かった・・・
ダラス・カイケルは2018年終了後にFA。
2015年にサイヤング賞受賞、オールスター2度出場(2015/2017)、ゴールドグラブ賞4度受賞(2014−16/2017)の実績十分の左腕が、前年からつづく遅いFAマーケットに翻弄され、なかなか所属先が決まらなかったのはご存じの通りです。
2019年6月7日にブレーブスと正式契約。
マイナーでの調整を経てついにシーズンデビューとなりました。
マイナーでの調整登板
マイナーではシングルAで1試合、ダブルAで1試合、計2試合の調整登板で上に上がってきました。
シングルAでは7回を被安打1、失点0、与四球1、奪三振9。
ダブルAでは7回を被安打11、失点3、与四球1、奪三振4。ダブルAでは打たれていましたが、これはいろいろ試した結果ゆえ、コーチが内容にOKを出せば問題ありません。
立ち上がりを経験で乗り切る
コーチがOKを出したとは言え、非常に早いペースでメジャーの実践マウンドに上がったダラス・カイケルでしたが、やはり立ち上がりはバタバタしました。
初回は先頭のトレイ・ターナーにシングルを打たれ、ランナーを背負うも後続を打ち取り無失点。
2回表はブレーブスのオースティン・ライリーに2ランHRが出て2−0と先制。
その直後のマウンドでは先頭打者のブライアン・ドジャーにシングルで出塁を許し、ビクター・ロブレスには死球を与えるというまずい状況に。
しかしここも経験で乗り切ったという感じで後続を打ち取り無失点に。
3回表にも味方打線は追加点。3−0とリードしていました。
しかし、中盤に捕まりました。
エラーも絡み、リードを守りきれず
4回裏、イニングの先頭打者、ブライアン・ドージャーの打球をオジー・アルビーズがとんでもない暴投でノーアウト、ランナー2塁という状況に。
その後、ロブレスに三塁打を浴びて1失点、さらにマイケル・テーラーにきれいなスクイズを決められ2点目。
つづくヤン・ゴームズには2ランHRを浴び、この回計4失点で逆転を許します。
このイニングはちょっと気の毒な面がありましたね。
5回にも先頭から3連打を浴び、1失点。よく後続を抑えたと思います。
ダラス・カイケルは5回終了でマウンドを降りました。
5回99球を投げ、被安打8、失点4、自責点3、与四球0、与死球1、奪三振3、HR1というデビュー戦に。
もともと被安打の多い投手なので、この被安打数は参考程度でいいと思います。やはり実践から遠ざかっていると、そうなりますよね。あと2、3回我慢が必要でしょうね。
ベロシティーがやや落下
ダラス・カイケルはもともと飛び抜けたベロシティーを持っている投手ではありません。
例えばサイヤング賞を獲った2015年においても試合中のMAXは93mph (149.66kmh)を出せばいい方で、だいたい92mph(148.6kmh)ほどでした。
2018年はやや落下して、Maxで91mph(146kmh)ほどに。
この日のMAXはさらに落ちて90mph(144.8kmh)でした。
ファストボールのほとんどはシンカーで、4シームは1試合の中でも数えるほどしか投げません。
速くない分、チェンジアップを効果的に使い、カットとスライダーの横の動きで打ち取るパターンの配球です。
ファストボールに勢いがあればあるほど、カットもスライダーも活きてくるタイプなので、もう少しベロシティーが上がればと思います。
とにかく初戦ですから、次はなんとか調整してくるでしょう。
ナッツがスタンドと一体
この日のナショナルズ・パークの歓声はすごかったですね。まるでポストシーズンのようでした。
ゲームは4-3でナショナルズが勝利。
Game Recap
選手とスタンドは「売り」防止を願っていそう
マックス・シャーザーの移籍の噂が出ているナショナルズ。
ポストシーズンの芽がなくなれば、GMは本当に「売り」に出しそうです。
この日大いに盛り上がっていたスタジアムの選手と観客はひょっとしたら、「売り」への抵抗だったのかもしれませんね。
ナショナルズはこの勝利で5連勝に。2位フィリーズまで勝利数があと2つ。
お読みいただき、ありがとうございました。
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