タイガース、PS出場へ躍進
デトロイト・タイガースがいい勝ち方を続けています。
現地2024年9月22日、カムデン・ヤーズで行われたオリオールズとのGm3ではシーソーゲームの痺れる展開に。流れを変えたのはチームメイトから「あいつはスーパーマンだ」と呼ばれているCFのパーカー・メドウズのHR強奪でした。
ローテの半分をブルペンゲームで凌ぐDET
この日のタイガースの先発は左腕のタイラー・ホールトン。彼はそもそもはブルペンの投手。実際、今季はこのゲームも含めて64試合にも登板し、そのうち先発はこれで9度目。先発した翌日に、ブルペンで投げることもしばしば。
これはA.J.ヒンチ監督が実行する苦肉の策で、タイガースにはタリク・スクーバルというALサイ・ヤング賞候補の左腕がいますが、彼を中心にローテーションで決まっているのは現時点でケイシー・マイズ、キーデア・モンテロ(Keider Montero)、リース・オルソンというところ。そのリース・オルソンも直近では2.0-3.0 IPというショートイニングでの先発が多く、実質的に上記3人の日以外は全てオープナーでブルペンゲームで回しているというすごい投手起用を実践しています。前田投手はブルペンで2.0IPほどで起用されています。
そしてオリオールズは右腕のアルバート・スアレスが先発。
タイガースが先制
ゲームは2回表にタイガースが2アウトからスペンサー・トーケルソンがLFポール際にソロHRを放ち、先制。さらに、レンジャーズのジョシュ・ヤングの弟、ジェイス・ヤングとトレイ・スウィーニーが連続二塁打を放ち、もう1点を追加。2-0とリードします。
さらに3回表にはケリー・カーペンターがRFへソロHRを放ち、追加点。3-0とリード。
ゲームの流れを変えたメドウズのHR強奪
5回裏、タイガース2番手のタイ・マッデンがオリオールズ打線に捕まります。1アウトからセドリック・マリンズに2ランHRを浴びて2-3の1点差に。さらに、連続長短打でもう1点を失い、3-3の同点に。ピッチャーはここで左腕のショーン・グンサーにスイッチ。
そのグンサーは2アウト目を奪った後、コルトン・カウザーを打席に迎え、その初球。シンカーがほぼど真ん中に来たところをカウザーに右中間へHR性の当たりを痛打されます。打球は完全にウォール超えのHRという当たりだったのですが、これをCFのパーカー・メドウズがリーピング・キャッチでHR強奪。見事に勝ち越し点を制したのでした。これが入っていれば2ランHRでまた流れが変わっていたかもしれません。
Parker Meadows brings this baseball back! 🤯 pic.twitter.com/au8kwkHD9c
— MLB (@MLB) September 22, 2024
ちなみにパーカー・メドウズは元レイズのオースティン・メドウズの弟です。
タイガースはその直後の6回表、ケリー・カーペンターにこの日2本目のHRが飛び出し、4-3と勝ち越しに成功。
その後、タイガースは6回と7回にスコアリング・ポジションにランナーを進められ、ピンチが続きましたが、ブレナン・ハニフィー、ウィル・ベストが凌ぎ、最後はジェイソン・フォーリーが凌いでゲームセット。4-3で僅差の勝利をものにしました。
フォーリーは26セーブ目。
DET、ワイルドカード枠2位タイへ
このようにタイガースは特殊な投手起用でローテーション不足の谷間を補い、これが勝ちのフォーマットにもなり、7月以降、勝ち越しが続き、気づけば82勝74敗でALワイルドカード2位タイにまで食い込んで来ました。現ドジャースのジャック・フラハーティーを放出してもこの結果です。
プレーオフ進出のオッズなのですが、8月半ばの0.2%からついに61.9%まで高めさせたというかなりミラクルな急浮上を演じております。
The Detroit Tigers.
— Justin Spiro (@DarkoStateNews) September 22, 2024
An insane run that defies all logic. pic.twitter.com/Kodu8R8yYg
KCとMINが失速
その急浮上の背景にはロイヤルズとツインズの失速が挙げられます。ロイヤルズはビニー・パスカンティーノの骨折が響き、打線が苦戦中。補強もしたのですが、なかなか思うようには機能しません。そしてロイヤルズは9月15日のパイレーツ戦から22日のジャイアンツ戦まで7連敗中。
さらに、もう1つのライバルであるミネソタ・ツインズも22日はレッドソックスにダブルヘッダーでスウィープされこの2チームの失速がタイガースをさらに押し上げています。
ALワイルドカード争いはご覧の通り。上位3チームがポストシーズン出場です。
# | Club | W-L | GB |
---|---|---|---|
1 | BAL | 86-70 | – |
2 | DET | 82-74 | – |
2 | KC | 82-74 | – |
4 | MIN | 81-75 | 1.0 |
5 | SEA | 80-76 | 2.0 |
仮にシーズン終了日にタイガース、ロイヤルズ、ツインズ、マリナーズの勝率が並んだ場合、まずは直接対決の結果を見ます。
- KC: 7 – DET: 6
- MIN:7 – DET: 6
- DET: 5 – SEA: 1
- SEA: 3 – KC :3
- MIN 5 – SEA: 2
- MIN 7 – KC: 6
それぞれに強み・弱みがあります。もし今日の時点でWCの順位を決めたなら、オリオールズはそのまま1位。タイガースとロイヤルズではロイヤルズの方が勝率が上なのでロイヤルズが2位、タイガースが3位という順位に。
タイガースがどうなるのか?見ものですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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