ライン・ネルソン、NLトップ2を完全に封じる!
現地2022年9月12日、アリゾナ・ダイヤモンドバックスのルーキー、ライン・ネルソン(Ryne Nelson)がドジャースを相手に素晴らしい投球を披露。上から下まで一発があり、技ありの打撃もありと、なんでも揃っているドジャース打線を相手に6回、スコアレス投球を演じて見せました。
なお、最初に断っておきますが、このゲームはDバックスの2番手以降が打たれてドジャースが6−0で勝利しており、ライン・ネルソンに勝ち星がついたわけではありません。自己の責任をルーキーらしからぬ投球で全うしたということであります。
そのライン・ネルソンですが、この日がデビュー2戦目。デビュー戦はパドレスを相手に7回スコアレス、そしてこの日はドジャースに対して6回スコアレスと、ナ・リーグ西地区トップ2の高いハードルを難なく超えて見せたのでした。
デビュー戦でパドレスを封じて初勝利
ライン・ネルソンは、現地2022年9月5日にトリプルAからコールアップされ、即パドレス戦に登板。
ルーキーのデビュー戦とはいえ、パドレスの先発はブレイク・スネル。したがって、理想を言えば、先制点を与えたくないところでした。それを知ってか知らずか、パドレス先発のブレイク・スネルはルーキーの前で凄みを見せました。スネルは初回に先頭のカーソン・ケリーに四球を与えたものの、アウト3つを三振で奪うという立ち上がり。これだけでも相手投手にはかなりのプレッシャーがかかるところです。
その裏のパドレスの攻撃でマウンドに立ったライン・ネルソン。メジャー初対戦の打者はジュリクソン・プロファー。無我夢中で投げていたせいか、コントロールがまとまりすぎ、96.8mphのファストボールをCFに弾き返されて二塁打となり、いきなりメジャーの洗礼を受けたのでした。
ところが、ライン・ネルソンはつづくフアン・ソトをポップフライに、マニー・マチャードをSSゴロに打ち取り、さらにジョシュ・ベルからは見逃し三振を奪い、このピンチを切り抜けます。
強いなあというのがその印象でした。
その後は2回から5回までの4イニングを三人ずつで斬って取り、2本目のヒットが出たのは6回裏のこと。それを打ったのはまたしてもジュリクソン・プロファーで2アウトから再び二塁打を放ったのでした。
Putting the diamond into the @Dbacks, eighth-ranked prospect Ryne Nelson had a gem of a debut!
— MLB Pipeline (@MLBPipeline) September 6, 2022
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Dバックスは7回表に、ストーン・ギャレットにソロHRが出て、2点目を計上。ライン・ネルソンの好投に応えます。
7回裏、さすがに疲れが出たのか、ジョシュ・ベルらに2本のシングルを打たれますが、マット・BTをRFフライに抑え、結局、7イニング、87球で、被安打4、スコアレス、BB0、SO7でマウンドを降りました。
後を継いだケビン・ギンケル、ケイレブ・スミスがともに1イニングをパーフェクトに抑え、さらに打線も追加点を奪い、5-0でDバックスが勝利。ライン・ネルソンに嬉しいメジャー初勝利がつきました。
デビュー2戦目、ドジャースもねじ伏せる
そしてデビュー2戦目となった現地2022年9月12日のドジャース戦。
またもライン・ネルソンはルーキーらしからぬ投球で立ち上がりをこなします。2回までドジャース打線を三者凡退に。初ヒットは3回表2アウトからトレイス・トンプソンのシングル。そしてこのイニングから2巡目に入りましたが、ドジャース打線はさらに手こずり始めました。
最大のピンチは6回2アウトに訪れました。トレイ・ターナーがRFポール際に大きな当たりを放ち、これがトリプルに。つづくバッターはフレディー・フリーマンということでここでバッテリーは敬遠を選択。2アウト1、3塁でバッターはウィル・スミス。
ウィル・スミスは右中間にライナーを放ち、ドジャースが先制点を奪ったかと思われましたが、これをCFのアレク・トーマスがキャッチ。ライン・ネルソンはこのイニングで降板。
6回、81球で被安打がたったの2!スコアレスで、BB2、SO6。
ライン・ネルソンは2試合連続でスコアレス投球を見せたのでした。しかし、この後、ブルペンがせっかくのライン・ネルソンの好投を無にして計6失点。
6-0でドジャースが勝利しました。勝利投手はタイラー・アンダーソンで15勝目をマークしております。
ライン・ネルソンとは
ライン・ネルソンは1998年2月1日生まれの24才(現地2022年9月12日時点)。2019年のDバックスの2巡目指名です。
【YOUTUBE】Prospect Spotlight: Ryne Nelson | Arizona Diamondbacks
ドラフト後にクラスA+に所属。10試合、18.2イニングを投げ、ERAは2.89。
2020年はマイナー・リーグがキャンセルとなったため、トレーニング・ファシリティーで調整。
2021年はクラスA+からスタートし、ダブルAまで昇格。2つのレベルを併せて、116.1 IP、ERA 3.17。
2022年はトリプルAで開幕を迎え、26先発し、136イニングを投げ、10勝5敗でERAは2.52。これは上で使いたくなるのが人情です。
4シームが重くて伸びる
ライン・ネルソンのベロシティーはアベレージだとmid-90mphというところ。特別速いわけではありません。
しかし、ギアを上げると96-97mphをマークし、しかも球質が重そうです。
うまいのが77mphほどのカーブをよく使うところ。これによって、打者は4シームの球威をよりさらに感じると思います。
角度のいいボールは伸びが素晴らしく、数字以上のものを感じさせます。
ライン・ネルソン、今季はあと2度から3度ほどの登板がありそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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